現金出納帳は、日々の現金の収支を記録し、残高を把握するために欠かせない帳簿です。会計ソフトを導入していない小規模事業や個人事業主では、エクセルやスプレッドシートを活用する方法が実務でよく用いられています。

この記事では、税理士や経理担当者の実務経験をもとに現金出納帳テンプレートを整理しました。無料でダウンロードできるExcel・スプレッドシート形式を紹介し、用途に応じた選び方や活用法も解説します。

現金出納帳テンプレート一覧

現金出納帳には、年間管理用や日次管理用、A4やB5など用途に応じたフォーマットがあります。ここでは軽減税率対応やシンプル版など、実際に使いやすいテンプレートを用意しました。

年間管理用(4月~翌年3月)

 

年間用 現金出納帳テンプレート Excel 軽減税率対応

年間(4月~翌年3月)の現金-経費管理ができる現金出納帳テンプレートです。科目や年月を最初に設定することで入力の手間を省くことができます。

年間の経費累計や入金累計を自動的に計算するので、毎年の経費管理が可能になります。

次年度になった場合は、このシートをコピーして年月を修正すれば年ごとの管理が可能です。使い方の詳細については、ダウンロードページを参照してください。

A4サイズ(一般的な帳簿形式)

A4縦形式の現金出納帳テンプレートです。上部に対象年を記載する欄があり、表に科目と摘要、収入金額、支払金額、差引残高を記入していく形式です。合計欄があります。

最下部には、8%の税率と10%の税率で支出した合計金額が自動で計算されます。

A4サイズ 現金出納帳テンプレート Excel 無料ダウンロード
現金出納帳テンプレート01 A4縦

A4縦型 現金出納帳テンプレート Excel 軽減税率対応
現金出納帳テンプレート02 A4縦

シンプル版(オリジナル帳簿向け)

出納帳を繰越して使う形式の現金出納帳テンプレートです。NO、日付、コード、科目名、摘要、借方金額、貸方金額、差引残高を記入していきます。カラーがないシンプルなテンプレートなので、オリジナルの帳簿にしやすいです。

シンプル形式 現金出納帳テンプレート Excel 借方貸方対応
現金出納帳テンプレート03

シンプルで使いやすい 現金出納帳テンプレート Excel 無料版
現金出納帳テンプレート05

B5サイズ(コンパクト形式)

B5用紙で使える現金出納帳のテンプレートです。項目などの内容A4版と変わりありません。コンパクトに使いたい人用です。こちらも最下部には軽減税率対応用に8%と10%の合計金額が計算されます。

支出した場合は、税率欄に8か10の税率を入力して下さい。

B5サイズ 現金出納帳テンプレート Excel 合計欄あり
現金出納帳テンプレート06 B5縦 合計欄あり

B5サイズ 現金出納帳テンプレート Excel 合計欄なし
現金出納帳テンプレート07 B5縦 合計欄なし

Googleスプレッドシート版

Googleスプレッドシートで使える現金出納帳テンプレートも紹介します。 コピーを作成すれば、自分専用の出納帳として編集・活用できます。

Googleスプレッドシート 現金出納帳テンプレート 無料コピー用

googleスプレッドシート版の現金出納帳テンプレート

現金出納帳の使い方と実務でのポイント

科目の整理と入力ルール

勘定科目を統一して入力することで、後の経理処理がスムーズになります。摘要欄は具体的に記録することが推奨されます。

軽減税率対応の注意点

支出には8%・10%の税区分を忘れず入力してください。後の消費税申告時に必要となるためです。

残高確認の習慣化

実際の現金残高と帳簿残高を定期的に照合することで、誤入力や漏れを早期に発見できます。

現金出納帳のよくある失敗と注意点

現金出納帳を作成するときによくある失敗、注意点は以下の通りです。

1. 入力漏れや摘要の省略

現金出納帳は、日付や金額だけを記録して摘要を省略してしまうことがありますが、後から内容を確認できず、経理処理や税務調査で困ることがあります。摘要欄には「取引先名」「具体的な内容」をできるだけ詳細に記載することが大切です。

2. 税率の入力ミス

軽減税率(8%・10%)に対応したフォーマットでは、誤って税率を入力し忘れたり、全て10%で処理してしまうことがあります。消費税申告の際に合わなくなるため、支出時には必ず税率欄を確認する習慣をつけましょう。

3. 残高の不一致

帳簿上の残高と実際の現金が合わないケースはよくあります。原因は「入力忘れ」や「小口現金の使用記録漏れ」が多いです。週末や月末に必ず現金実残高と照合するチェックを行いましょう。

4. フォーマットの使い分けが不十分

A4とB5、年間版と月次版など複数の形式を準備しても、実際には目的に合わないものを選んでしまうことがあります。用途に合わせたテンプレートを最初に選択し、使い分けを徹底すると管理がしやすくなります。

現金出納帳テンプレートのカスタマイズ例

1. 勘定科目の追加・削除

業種や事業によって使用頻度の高い科目は異なります。例えば「交通費」「仕入」「雑費」など、よく使う科目を最初からシートに設定しておくと入力効率が上がります。

2. 月別シートの作成

年間版を使用している場合でも、1か月ごとにシートを分けて管理することで見やすくなります。月ごとにファイルをコピーして使う方法も有効です。

3. グラフ機能の追加

収支の推移をグラフ化することで、経費や収入の増減が一目でわかります。Excelやスプレッドシートのグラフ機能を活用して、毎月の状況を視覚的に確認できるようにしましょう。

4. 自動計算式の強化

初期のテンプレートには合計だけの計算式が設定されている場合があります。さらに「月別合計」「科目別合計」を自動で集計する関数を追加すれば、より実務に近い管理が可能になります。

5. PDF化して保存

入力した現金出納帳をPDFに変換して保存することで、改ざん防止や書面保存にも対応できます。特に顧問税理士や会計士に提出する場合はPDFで保存すると便利です。

よくある質問(FAQ)

現金出納帳テンプレートは無料でダウンロードできますか?
すべての現金出納帳テンプレートを無料でダウンロードできます。Excel形式とGoogleスプレッドシート版を用意しています。
現金出納帳テンプレートは軽減税率に対応していますか?
8%と10%の税率を入力できる欄があり、支出の合計を自動計算できるようになっています。
A4とB5サイズのどちらでも使えますか?
A4サイズとB5サイズの両方に対応した現金出納帳テンプレートを用意しています。用途に合わせて選んでください。
Googleスプレッドシート版はどのように利用できますか?
Googleスプレッドシート版は「コピーを作成」メニューから自分のアカウントに複製して利用できます。ExcelやPDF形式にも変換可能です。
個人事業主でも利用できますか?
小規模事業者や個人事業主の方にとっても使いやすいシンプルな現金出納帳テンプレートです。経費管理や現金残高の把握に活用できます。

まとめ

最近では、会計ソフトや給与システムで現金出納帳が出力されるので現金出納帳をエクセルで作って管理をするという人も少なくなりました。しかし、個人事業主や小規模企業ではエクセルを使った方が便利な点も多いです。

今回は、フォーマットやレイアウトの違う軽減税率対応の現金出納帳テンプレートをいくつか紹介しましたので、是非活用してみてください。