FAX送付状は、書類の送付先・送付目的を相手に伝えるビジネス文書です。適切なテンプレートを使うと、「誰に・何を・何枚送るか」が明確になり、受け手の混乱や誤配布を防げます。

この記事では、実務経験に基づいた使いやすいレイアウトのFAX送付状テンプレートを、Word、Excel、PDF形式で紹介します。

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FAX送付状テンプレート一覧(全14種・無料)

ビジネス用のシンプル版から、ロゴ差し替え対応タイプまで、さまざまなシーンで使えるテンプレートを多数用意しています。

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テンプレートのカスタマイズ例と実務的な使い方

今回紹介したテンプレートは、以下のように自社用にカスタマイズすることができます。

  • 社名・ロゴを自社用に差し替える:
    Excel版では会社の住所付近に画像を挿入するだけで簡単にロゴを挿入できます。
  • 「備考欄」「重要マーク」などの追加:
    必要に応じてテンプレートに行や項目を追加し、送信内容を明確にできます。
  • 社内共有用にPDF化:
    送る前にPDFで保存すれば、控えの管理や送信履歴になり便利です。

特に複数部署にFAXを送る際は、部署名を明記することで誤配信を防ぐことができます。

FAX送付状の必須項目と書き方|宛先(御中/様)・送信枚数・差出人

FAX送付状は、以下の必須事項と書き方のポイントを抑えておくと失敗を防ぐことができます。

ポイント

宛先
会社名・部署名・担当者名を正式な表記で記載、最後に御中/様を付ける(略称は誤配の原因)

送信枚数
送付状を含めた総枚数「全◯枚(送付状含む)」と明記

差出人情報
会社名・部署名・氏名・電話・FAX番号を正確に記載

日付・件名
送付日と用件が一目でわかるよう簡潔に記載

  • 書式のコツ:
    ゴシック系・10.5〜12pt・余白広め・装飾最小で可読性を確保
  • 番号確認:
    過去の履歴や名刺でFAX番号を二重チェック
  • 情報の最小化:
    機密・個人情報の記載は最小限にし不要な情報は削除

FAX送付状の書き方と挨拶文例

FAX送付状の冒頭には簡単な挨拶文を入れるのがマナーです。以下では、FAX送付状の見本文例をいくつか紹介します。

ビジネス文例1

平素は格別のお引き立にあずかり厚く御礼申し上げます。
下記の書類を送付致しますので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。

ビジネス文例2

いつもお世話になっております。

定例のミーティングの日程につきまして、次回の打ち合わせ日時が下記の通り決まりましたのでご連絡いたします。お忙しいことろ恐縮ですが、ご出席くださるようお願い申し上げます。

個人の文例

平素はお世話になっております。

下記の通り書類を送付させていただきますのでご確認ください。

見積書の文例

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、先日ご依頼いただきましたお見積書を送付させていただきます。ご査収くださいますようお願い申し上げます。
 なお、何かご不明な点がございましたら、ご遠慮なくお問合せください。
 ご検討のほどよろしくお願いいたします。

敬具

請求書の文例

拝啓 平素は各段のご愛顧を賜り誠にありがとうございます。
 早速ですが、先日納品いたしました商品に関しての請求書を作成いたしましたので、ご査収くださいますようお願い申し上げます。

敬具

参考事例:現場で本当にあったミスと対策

[事例1] 宛先の略称で誤配
総務課→「総務」と略して送付した結果、別部署に回ってしまった。
対策:正式表記のチェック欄をテンプレに追加。送信前に御中/様まで確認。
[事例2] 送信枚数に送付状を含め忘れ
受信側から「何枚送りましたか?」と問い合わせあり。
対策:固定文「全◯枚(送付状含む)」をテンプレに組み込む。
[事例3] 文字が潰れて読めない
細い明朝体・小さすぎるサイズでコンビニFAX出力が不鮮明。
対策:ゴシック10.5〜12ptに統一、背景ベタや罫線の多用を避ける。

5項目セルフ診断|送信前の最終チェックツール

送信前にセルフチェックをすることで、FAX送信のミスをなくせます。以下のチェックリストで確認してください。

  • 宛先(会社名・部署名・担当者名)が正式表記御中/様
  • 送信総枚数を「全◯枚(送付状含む)」と明記
  • FAX番号を名刺・名簿・過去履歴で再確認(短縮ダイヤル誤登録も確認)
  • 不要な個人情報を削除し、最小限の情報に
  • 送信控え(PDF保存/送信レポート)を残した(必要に応じて受信確認)

参考:個人情報の取り扱いと誤送信時の初動対応

FAX送信状にも個人情報を取り扱う場合があります。誤って誤送信した場合の対処について確認しておきましょう。

  1. 送信停止:
    誤送信に気づいたらすぐ止める
  2. 受信先へ連絡:
    電話で誤送信を伝え、破棄または返送を依頼
  3. 社内報告:
    上長・情報管理部門へ速やかに報告
  4. 記録と再発防止:
    送信先・日時・内容を記録し、チェック体制を整備

備考:個人情報を含む場合は、社内規程に沿って初動・報告・公表要否の判断を行う。

参考:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)

よくある質問(FAQ)

FAX送付状は必ず付けなければいけませんか?
FAXを送信する際に、送付状が必要なケースと不要なケースがあります。請求書や領収書、相手の会社の個人宛の連絡などは送付状が必要ですが、プレスリリースの依頼やFAX広告の送信などには送付状を付けません。
FAX送付状にはどのような情報を記載すべきですか?
送り主の情報(会社名、部署名、担当者名、電話番号、FAX番号)、受け取り先の情報(会社名、部署名、担当者名)、日付、件名、本文、添付書類の有無、緊急度、送り主の署名または連絡先を記載することが一般的です。
FAX送付状の文例はどのように選ぶべきですか?
FAX送付状に書く文例は、ビジネスシーンや個人間のやり取りに応じて使い分けることが重要です。ビジネスシーンでは丁寧でフォーマルな表現を使い、個人間のやり取りではカジュアルで親しみやすい表現を選ぶことが適切です。
FAX送付状は手書きでも良いですか?
FAX送付状は、手書きでも構いません。手書きの場合でも、件名、宛先・差出人の連絡先・日付・用件・送信枚数などの必要事項を記入してください。
FAX送付状にデザインは重要ですか?
FAX送付状は、書類の第一印象を決めるため最低限のレイアウトやデザインを心がけてください。おしゃれではなくとも、整頓した適切なレイアウト、フォント、文字サイズを選ぶことで、相手に対して良い印象を与えることができます。
FAX送付状を作成する際の注意点は?
FAX送付状を作成する際には、以下の点に注意してください。
・文字の大きさやフォントを統一する
・記載する情報を正確にする
・無駄な装飾は避ける
・丁寧な挨拶文を記載する
・受け取り先の情報が正確であることを確認する
FAXの返信はどのようにすればいいですか?
受け取ったFAXに返信する場合は、返信とわかるようにすることが大切です。具体的には、FAX送付状の上部に「返信」と大きく書き、先方のFAXに自分の会社名や名前に「御中」や「様」が付いていれば二重線で消します。また相手先が「行」になっている場合は、「御中」「様」と敬称に直してください。

運営者コメント|作成背景と意図

このテンプレートは、中小企業や個人事業主の業務効率化を目的に、帳票制作に20年以上関わってきた経験をもとに作成しています。FAX送付状のテンプレートは見落とされがちな書類ですが、第一印象や社内業務の正確性に直結する重要なツールです。

実務現場の声を反映し、余計な装飾を排した「現場で使いやすいフォーマット」を意識しました。FAX送信の手間を減らし、迅速かつ正確な情報共有にお役立てください。

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