今回は、事務職や、バックオフィスでの進捗の共有に最適化した業務日報テンプレート(Excel・Word)を紹介します。「今日の業務」「所要時間」「成果物」「課題」を最小構成でまとめ、チームで読みやすく、続けやすい日報運用を実現できます。
このページのポイント
- 部署横断で共有しやすい最小構成(業務/時間/成果物/課題)
- Excel・Word版を無料ダウンロード、紙提出・PDF配布にも対応
- 週報・月報への集計まで見据えたフォーマット設計
用途別のご案内
- 現場作業の実績報告は 作業日報テンプレート(現場向け:工事・製造・店舗)
- 営業活動・商談履歴の記録は 営業日報テンプレート(営業向け)
- 種類の比較・全体像は 日報テンプレート(用途別まとめ/ハブ)
業務日報テンプレート(Excel形式・無料)
事務職の進捗を共有するのに最適な、シンプルで使いやすいExcel業務日報です。部署を横断的に使える共通フォーマットで、素早く書けるのが特徴です。
事務職向けテンプレートの特徴(シンプルで共有しやすい)
時系列で記録する業務日報テンプレート
時系列で業務内容を記入していく形式の業務日報テンプレートです。時間ごとに業務内容が変化するような仕事や、新入社員などの時間ごとに課題が変わるような方には便利です。
無料ダウンロードと使い方
- Excel版をダウンロードし、部署名・担当案件リストだけ初期設定
- 共有ドライブで「日付_氏名.xlsx」命名に統一(例:2025-09-26_山田.xlsx)
- 日次提出→週報・月報へ自動集計(ピボット・関数で展開可能)
業務日報とは?(事務・バックオフィスでの役割)
オフィス業務の「見える化」と「再現性向上」を目的とする、共有用の報告書です。タスクと成果物の紐づけで、評価・改善が行いやすくなります。
目的:共有・振り返り・業務改善
- 共有:担当横断で状況を同期し、属人化を防ぐ
- 振り返り:日次→週次→月次で学びを蓄積(KPT)
- 改善:ボトルネック把握→標準化・自動化の候補抽出
作業日報・営業日報との違い
- 作業日報:
現場の作業内容・実績の記録が中心(現場特化) - 営業日報:
商談・顧客接点の履歴管理が中心(営業特化) - 業務日報:
オフィス業務の進捗・成果・課題の共有が中心(事務特化)
業務日報の基本フォーマット
情報の一貫性と可読性を保つために、誰が見ても同じ内容として理解できることが重要です。
ヘッダー:日付/部署/氏名/担当案件
- 日付(提出日)・部署・氏名を必須化
- 担当案件はプルダウン(入力揺れを防止)
本文:今日の業務・所要時間・成果物URL
- 業務名(名詞+動詞)/所要時間(0.5h刻みなどで統一)
- 成果物URL(Docs、Sheets、Drive、社内ツールのリンク)
- ステータス(完了/継続/保留)を選択式で
振り返り:KPT(Keep/Problem/Try)・翌日のToDo
- Keep:続けるべき良い実践
- Problem:阻害要因・課題
- Try:具体的アクション(期限・担当)
- 翌日のToDo:3つまでに絞ると実行率UP
上長コメント/承認欄
- 短評(最大3行)+確認チェックのみで回すと定着しやすい
- 承認日・承認者は自動入力(スクリプトやスタンプセル)も可
活用シーン別の書き方
部署ごとの事情に合わせてポイントを足すと、読む側に役立つ内容になります。
総務:問い合わせ・庶務対応の記録
- 受付件数/対応時間/未解決の要因
- 社内告知や備品管理の成果物URL
経理:請求・支払・締め処理の進捗
- 伝票件数・差戻し件数・締め状況の指標化
- 消込表・集計シートのURLを紐づけ
人事:採用・勤怠・労務手続の管理
- 候補者ステータス・面談設定・入社手続の進行
- 勤怠差異の是正対応と期日管理
企画・マーケ:施策進捗と成果リンク
- 業務内容→成果指標(例:公開本数、CV、CTR)に接続
- レポートURL・ダッシュボードURLを必ず添付
リモートワーク・チーム共有での運用
提出・保管・検索のルールを整備すれば、日報が有効な情報資源として活用できるようになります。
提出ルール(Teams/Slack/メール)
- 提出時刻を固定(例:当日18:00まで)
- 定型文+ファイル/URLで投稿(テンプレ化)
共有ドライブとファイル命名規則
- 階層例:/日報/部署/年/月/日付_氏名.xlsx
- 命名例:2025-09-26_総務_佐藤.xlsx(検索性UP)
週報・月報とのつなぎ方
- 日報→週報:ピボットで集約(タスク別・案件別)
- 週報→月報:KPTのTry進捗をKGI/KPIに接続
週次・月次での集計運用は
週報テンプレート /
月報テンプレート
を参照してください(本ページは日次の業務日報専用です)。
記入のコツ(短時間で質を上げるには)
読みやすさと、評価されやすい内容の両方を意識して仕上げます。
箇条書きと定型文の活用
- 1業務=1行、冒頭は動詞から(例:資料作成→「見積資料を作成」)
- 「依頼」「確認」「承認」など定型タグで始めると伝わる
数値・URL・スクリーンショットの添付
- 数値(件数・h・達成率)を必ず入れる
- 成果物URLを紐づけ、再現可能性を担保
上長が評価しやすい書き方
- 目的→結果→課題→次アクションの順で簡潔に
- 他部署依存のタスクは依頼先・期限を明記
よくある失敗と注意点
業務日報の運用が続かないときの主な理由は、手間がかかることと内容がわかりにくいことです。
業務の羅列で意図が伝わらない
- 「なぜ」「何のため」を1行で補足(目的タグを付ける)
定義が曖昧でチーム比較できない
- 所要時間の刻み・ステータス定義を事前に統一
提出運用が定着しない
- 提出時刻固定+上長の短評ルールで“見られている感”を作る
業務日誌との違い
日誌は「自分の記録」、日報は「組織への共有」。提出するかどうかが大きな違いです。
自己記録(業務日誌)と組織共有(業務日報)の目的差
- 業務日誌:学び・気づきの個人蓄積(提出不要の場合あり)
- 業務日報:組織の意思決定・評価・引き継ぎの材料
正式提出書式としての要件
- ヘッダー必須(部署・氏名・日付・案件)
- 成果物URL・所要時間・ステータスの標準化
セキュリティ・機密情報の取り扱い
共有しやすさと情報保護のバランスに注意します。
個人情報・顧客情報のマスキング
- 氏名→イニシャル化、IDで管理、属性は集計列に記載
社外秘資料やURLの記載ルール
- 共有権限(閲覧可否)を記載/社外共有は禁止を明記
関連リンク
よくある質問(FAQ)
業務日報テンプレートは無料で使えますか?
はい。掲載しているテンプレートはすべて無料でダウンロードして利用できます。社内ルールに合わせたカスタマイズも可能です。
Excelがない場合でも利用できますか?
GoogleスプレッドシートやLibreOfficeでも開ける形式です。共同編集やコメント運用にも向いています。
業務日報の基本項目は何を入れれば良いですか?
日付・部署・氏名・担当案件、今日の業務(所要時間付き)、成果物、課題・翌日のToDo、上長コメントを推奨しています。
作業日報・営業日報との違いは何ですか?
業務日報は事務職の進行・成果・課題の共有が中心です。作業日報は現場作業の実績報告、営業日報は商談・顧客対応の履歴管理に特化します。
提出ルールはどう決めれば定着しますか?
提出時刻の固定(例:18:00まで)、命名規則の統一(例:YYYY-MM-DD_部署_氏名.xlsx)、上長の短評運用をセットで決めると定着しやすいです。
週報・月報とはどうつなげますか?
日報データをピボットで案件別やタスク別に集計し、KPTのTry進捗をKPIに接続すると、週報・月報まで一気通貫で管理できます。
機密情報や個人情報はどう扱えば良いですか?
氏名や顧客情報はID化・イニシャル化し、URLは社内権限付きのリンクを記載します。社外共有や転送を禁止する注記も推奨です。