「企画書を1枚にまとめるなんて無理...」と思っていませんか?
実は、提案内容をきちんと整理すれば、A4一枚でも十分に伝わります。私たちは、これまで販促企画・社内提案・商品開発など、多数の企画書づくりを支援してきました。
その実務経験をもとに、「短くても伝わる企画書テンプレート」と「書き方のコツ」をご紹介します。Word・Excel・PowerPoint形式で、誰でも簡単に使えるフォーマットを無料配布中です。
1枚企画書とは?|A4一枚で完結させる意図とメリット
企画書は、伝えるべき要点を「わかりやすく・素早く」伝えるための資料です。
そのため、ページ数や情報量よりも、
が重要になります。
✅ 近年主流になりつつある「1枚企画書」
社内提案や営業提案など、さまざまなビジネスシーンで注目されているのが、A4一枚で完結する企画書です。限られたスペースにまとめることで、以下のようなメリットがあります。
・要点が明確に伝わる
・無駄な情報がそぎ落とされる
・読む側の判断が早くなる(1分以内で理解可能)
・読み手のストレスを軽減し、検討につながりやすくなる
私たちが支援してきた企業や現場でも、こうした声が増えています:
「まずは1枚で提案して」
「読める時間は1分だけ」
「長い企画書は後回しになる」
1枚で伝えるという制約が、結果として内容の本質を際立たせる強みになるのです。
なぜ1枚で十分なのか?
A4用紙1枚の企画書が選ばれる理由は、シンプルです。
✔ 要点だけが目に入るため判断しやすい
✔ 複数の企画と比較しやすい
✔ 提案者側も情報整理の訓練になる
特に、決裁者や上司などは、以下のような状況にあります:
・細部まで読み込む時間がない
・最初の数行で「読む・読まない」が決まる
こうした状況を踏まえると、1枚企画書には次のような本質的な価値があります:
・書き手:内容を整理し、伝える力が磨かれる
・読み手:短時間で全体像を把握でき、判断が早まる
短く伝えるために必要な要素
A4一枚にまとめるには、単に内容を削るのではなく、「構成力」が求められます。つまり、"何を伝えるか"だけでなく、"どう伝えるか"の設計が重要です。
以下の要素を押さえることで、読みやすく説得力のある企画書に仕上がります:
この企画で何を実現したいのかを冒頭で一文にまとめる
✔ 現状と課題:
背景と問題点を端的に整理する
✔ 解決策の提案:
自分のアイデアや施策を具体的に記載する
✔ 効果とメリット:
実施後に期待できる成果を明示する
✔ 実行スケジュールと予算:
いつ・どのくらいのコストで実現可能か
✔ 次のアクション:
承認・検討依頼・ヒアリング希望などの指示を記載
このように構成された1枚企画書は、短くても企画の本質が伝わる資料として、ビジネスの現場で高く評価されるようになっています。
企画書テンプレート一覧|用途別・形式別の無料フォーマット
以下ではword、excel両方の企画書テンプレートを無料でダウンロード可能です。
シンプルな企画書(Word・Excel)
シンプルな企画書テンプレートです。テンプレートには、サンプルの企画内容が記載されています。企画書の書き方の参考にしてください。
イベント用の企画書
イベント用の企画書エクセルテンプレートです。イベントの企画に必要な、期間や場所、広告の施策、予算などを記載するようになっています。
イベントの内容については、目的をわかりやすく簡潔に記述し単なるイベントの説明ではなく、会社の利益にどうつながるのかを書ければ承認されやすくなります。
キャンペーン用の企画書
販促キャンペーンなどで使える企画書テンプレートです。キャンペーンで使用できるように現状分析、目的や期間、予算、目標などの項目があります。 項目を変更すればイベントなどでも使用できます。
新商品企画用
新商品企画書(商品の提案書)を作成できるテンプレートです。商品を企画する場合は、どのような商品か説明するのはもちろんですが、コンセプトやターゲット、販売ルートなども記載した方がイメージしやすくなります。
特に商品を開発したときのメリットやかかる予算など具体的な数字があれば説得力が高まります。
プロジェクト提案用(横型)
新しいプロジェクトを企画する場合に作成する社内企画書のテンプレートです。A4横サイズでプロジェクトの目的や構造、展開方法、広告宣伝施策などを記載します。
A3サイズの企画書
A3用紙で作成できる企画書テンプレートです。キャンペーン用の項目が設定されていますが、変更すれば新商品、新事業、イベントなどさまざまな目的で使用できます。
PowerPoint版(デザイン重視)
パワーポイントで作成したA4一枚で作れる企画書テンプレートです。サンプルが入ったものとフレームだけの2種類があります。パワポで作成した方が、WordやExcelよりおしゃれに仕上がります。
企画書の書き方|A4一枚にまとめる5つのポイント
A4一枚にまとめた企画書は、限られたスペースの中で「伝える力」を問われます。ここでは、読み手に刺さる1枚企画書を作るための5つのポイントを解説します。
① 簡潔性が鍵
伝えたいことを短くまとめる力が、1枚企画書の成否を分けます。
✔ 「5W1H(誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように)」を明確に
✔ 余計な修飾語や説明は思い切って削る
② フォーマットの工夫
「どう見せるか」も大切な要素。見やすく整理された構成は、内容以上に印象を左右します。
✔ グラフや図表を使うと説得力が増す
✔ スマホや印刷でも読みやすいレイアウトを意識
項目 | 記載例 |
---|---|
期間 | 2025年11月〜12月 |
予算 | 100万円以内 |
目標 | SNSフォロワー2,000人増加 |
③ 優先順位の設定
A4一枚にはすべての情報を詰め込めません。だからこそ、「何を一番伝えたいか」を明確にしておくことが大切です。
✔ 重要度の低い情報は省略 or 最後に配置
✔ 書きたいことではなく、読んでほしいことを優先
④強調とアピール
良い企画書は、「なぜやるのか」と「やる価値」が明確に伝わります。そのためには、読み手の心を動かすアピールポイントが欠かせません。
✔ 定量的な効果(数値)で説得力を持たせる
✔ 他社事例や競合との違いも明記すると◎
⑤ 明確な指示とアクション
最後に忘れてはいけないのが、「この企画書を見た人に、どうしてほしいのか」です。「ゴール(次のアクション)」を明示しないと、せっかくの提案が動きません。
✔ 承認・ヒアリング希望・資料提供など、目的を具体的に記載
✔ 書きっぱなしにしない、提案としての完結性を意識
テンプレート活用シーンとカスタマイズ例
企画書テンプレートは、さまざまなビジネスシーンで使用できます。ここでは代表的な活用例と、目的に応じたカスタマイズのポイントをご紹介します。
🔸 新商品の提案
新商品の開発や販売に向けた企画をまとめる場合に便利です。
・市場ニーズに基づく課題の整理
・商品コンセプトや特徴の明記
・ターゲットや販路の明確化
・収益予測や販売スケジュールの記載
・商品イメージの画像を追加
・競合比較表や強みを図で示す
・開発コストや販売予測の表を挿入
🔸 イベント企画
社内外イベントやセミナーの開催に必要な情報を整理できます。
・イベントの目的と概要を簡潔に記載
・日程、会場、想定参加人数などの記載
・広報手段(SNS・チラシ等)や予算をまとめる
・QRコード付きの会場地図を追加
・イベント進行表を別シートで添付
・懇親会や参加特典などの案内欄を追加
🔸 プロジェクト提案
新規プロジェクトの立ち上げ時に、社内向けの企画書として活用できます。
・プロジェクトの背景と課題を明示
・目標と実施フローをフェーズごとに整理
・必要リソース(人員・予算・設備)を記載
・ガントチャート風の進行スケジュールを挿入
・リスク管理項目や対応策欄を追加
・チーム構成図をビジュアル化して掲載
🔸 マーケティングキャンペーン
販促施策や広告戦略の立案にぴったりのテンプレートです。
・キャンペーンの目的とターゲット層を定義
・メディア選定(SNS、Web広告等)を記載
・KPI(効果指標)や目標数値を明確にする
・過去のキャンペーンとの比較データを挿入
・SNS投稿スケジュール表を作成
・反響測定の方法(アクセス解析・アンケート)を明記
このように、企画書テンプレートは内容を少し変えるだけで多用途に展開できます。
「どこで」「どんな目的で」使うかを明確にすることで、より説得力のある資料になります。
よくある失敗例と注意点
企画書が通らない原因の多くは、書き方の問題ではなく「伝え方のミス」であることが多いです。ここでは、1枚企画書でありがちな失敗例とその回避ポイントをわかりやすくまとめました。
❌ 詰め込みすぎて読みにくい
よくある状態:
・1枚に情報を詰め込みすぎて文字がびっしり
・段落が長く、視線の流れが止まる
・全体が“情報の海”になり、読み手が迷子になる
・重要な情報に絞り、3~5項目に要点を整理
・余白や改行を使い、視線の流れをつくる
・表や図解で視覚的に伝える
❌ 目的・提案内容が曖昧
よくある状態:
・何のための企画なのかが最初に分からない
・「〜できたらいいな」という曖昧な表現が多い
・結局、何をしたいのかが読み終わっても不明
・冒頭に「この企画で実現したいこと」を1文で明記
・提案内容は箇条書きで簡潔に
・「誰に・何を・どう届けるか」を明確に
❌ 数値や裏付けがない
よくある状態:
・「効果が期待できます」と書かれているが根拠なし
・数字やデータが一切なく、説得力に欠ける
・比較や実績がなく、評価しづらい
・数値目標や過去の実績を必ず記載(例:売上20%増)
・市場調査・アンケート結果などを簡潔に添える
・提案前後でどう変化するかを定量的に示す
❌ 締めくくりが曖昧(次の行動が不明)
よくある状態:
・最後が「ご検討よろしくお願いします」で終わるだけ
・何をしてほしいのか分からない
・次のステップが見えず、判断されにくい
・「○日までにご確認いただけますでしょうか」など明確なアクションを提示
・承認・打ち合わせ希望・資料請求など、目的をはっきり書く
・問い合わせ先や連絡手段も併記すると親切
▶ 補足:
これらの失敗は、「伝える」ではなく「詰め込む」ことを目的にしてしまうことで起こりがちです。
読み手の立場になり、「読む→理解する→動く」という流れを意識した企画書づくりを心がけましょう。