この記事では、簡単でわかりやすい提案書テンプレートをフレームのテンプレートで紹介し、さらに実際のサンプル例文で提案書の作成方法を紹介します。

提案書は、社内の課題解決や業務改善、戦略立案に欠かせません。これまで社内改革プロジェクトや業務改善施策の提案支援に携わってきた実務経験をもとに、すぐに使える提案書テンプレートを無料で提供しています。

【実務経験コメント】
実際に、社内のプロジェクトチーム立ち上げや備品導入の提案を担当してきました。提案書は「誰に・何を・なぜ」が伝わるかが鍵です。簡潔かつ論理的に構成することで、上司の理解と承認がスムーズになります。

提案書テンプレートとは?|目的・種類・メリット

提案書とは何か?企画書との違い

提案書とは、業務改善や新しい取り組みに対して「こうすればよくなる」という意見や解決策をまとめ、上司や関係者に伝えるビジネス文書です。

企画書と混同されやすいですが、それぞれ役割が異なります。

📌 提案書と企画書の違い

・提案書:
- 現在の課題に対する改善案や対応策を提示
- 実務や社内運用の見直しが目的になることが多い

・企画書:
- 新規プロジェクトやサービスの立ち上げに使われる
- ビジネスモデルや全体計画をまとめるのが中心

提案書が使われる場面と主な目的

提案書は、日々の業務の中で以下のようなシーンで活用されます。

🔧 提案書が使われる主なシーン
・業務効率化(新システム導入・作業フロー見直し)
・設備や備品の購入希望(椅子・PC・什器など)
・人員体制の改善(パート増員・チーム再編成)
・出張や視察の稟議申請(海外・他拠点への訪問など)
・コスト削減や売上拡大に向けた施策

こうした場面で提案書を使う目的は、以下の2つに集約されます。

問題の明確化:現状の課題を具体的に整理する
解決策の提示:現実的かつ実行可能な方法を提案する

提案書テンプレートを使うメリットとは?

提案書は自分でゼロから書こうとすると、内容の整理や構成に悩みやすく、時間もかかります。そこでテンプレートを活用することで、次のようなメリットがあります。

✅ 提案書テンプレートの主なメリット

・必要項目が整理されており、抜け漏れがない
・構成が整っているため、説得力のある文書が作りやすい
・作成にかかる時間を短縮できる
・社内文書として見た目が整い、印象が良い
・誰が見ても読みやすいフォーマットになる

特に、提案に不慣れな方や時間のない現場担当者にとって、テンプレートは非常に心強いツールになります。

提案書テンプレート

基本的なフォーマットだけの提案書テンプレート4種を以下より無料ダウンロード可能です。提案書には決まったフォーマットやデザインはありません。通常のword文書のように、各項目ごとに詳細を記載していくといいでしょう。

提案書の書き方|初心者でも伝わる構成とポイント

提案書の一番の目的は、読み手に納得してもらうことです。そのためには、内容だけでなく「構成のわかりやすさ」や「見せ方」も重要な要素になります。

ここでは、提案書を作成するうえで押さえておきたい基本の書き方と、実際に使えるコツを紹介します。

まず押さえるべき5つの事前準備

提案書をいきなり書き始めると、構成がバラバラになってしまいがちです。スムーズに作成するには、事前準備が欠かせません。

📝 提案書作成前の5つのチェックポイント

1. 目的の明確化:何をどう改善したいのか?
2. 対象者の把握:誰が読むのか?承認者は誰か?
3. 問題点の整理:現状の課題や不満点は何か?
4. 具体的な解決案:どうすれば改善できるか?
5. 実行の妥当性検証:現実的に実現可能か?

これらを事前に整理しておくことで、説得力のある構成に仕上がります。

提案書の基本構成(タイトル・目的・提案内容 ほか)

提案書に「決まった形」はありませんが、基本の流れを押さえることで誰にでも伝わる構成になります。

📄 一般的な提案書の構成

1. タイトル(例:「備品導入に関する提案書」)
2. 提出日・提出者名
3. 提案の背景・目的(なぜこの提案をするのか)
4. 提案内容(どう改善するのか、実施方法)
5. 想定される効果・メリット
6. 予算・スケジュール・必要なリソース
7. 補足資料(あれば)

「目的 → 解決策 → 効果」という流れを意識すると、読み手にも伝わりやすくなります。

伝わりやすくするための表現・レイアウトのコツ

提案書がどれだけ良い内容でも、読みにくければダメだしされがちです。以下のような工夫をすると、相手に理解されやすくなります。

💡 見やすく伝えるための工夫
・長文は避けて、要点を箇条書きに
・グラフや図を使って視覚的に説明
・文字サイズ・行間・余白を適切に
・段落ごとに見出しを設けて構成を整理
・専門用語には補足をつける

また、読み手の立場に立って「この情報があると判断しやすいか?」を意識することも大切です。

A4一枚にまとめる?資料の添付はどうする?

提案書は基本的に、A4一枚で完結するのが理想です。一目で概要がわかり、上司や決裁者にも目を通してもらいやすくなります。

ただし、提案内容が複雑な場合は、詳細な情報を別紙(添付資料)として分けるのが効果的です。

📎 添付資料の例

・見積書や費用内訳表
・導入製品やサービスのパンフレット
・比較検討用の表や図表
・スケジュール表やガントチャート

本体の提案書は「要点を簡潔に」、資料で「裏付けや詳細を補足する」という使い分けが重要です。

提案書の例文テンプレート

ビジネスにおける提案書は、提案を流れにそってうまく主張することが重要です。ここでは、実際の提案書の例文テンプレートを5種紹介します。提案内容は、個々の状況によって異なるので、例文の構成を参考にして、自分の状況に即した提案書を作成してください。

開発チームの新設

システム開発のチームを新しい方法で行いたいという提案書です。現状や問題点、提案内容が記載されています。タイトルは、単に「提案書」とするより具体的に何の提案書か書いた方がわかりやすいのでおすすめです。

システム開発のチーム新設を目的とした提案書サンプル(例文付き)

海外工場の視察

一部の製造ラインを海外に移転するために海外の工場を視察する許可を得るための書き方例文です。

海外工場視察の許可申請に使える提案書の例文テンプレート

備品購入

現状の長机での作業から、一部の従業員にブース型デスクを導入して作業の効率化を図るという提案書です。

ブース型デスク導入の備品購入提案書の例文サンプル

パート増員

セール期間中の人員不足を見越して、パートタイマーの増員を提案する提案書です。どのような人員を何人、どのくらいの期間必要なのかを記載すると提案が通りやすくなります。

セール時のパート増員を提案する人員配置の提案書サンプル

商品増産

工場で製造している製品が販売好調のため、増産したいというシンプルな提案書です。単なる増産のお願いだけでなく、増産量や増産に必要な設備、投資額、必要な人員などがわかれば上長が提案を検討しやすくなります。

商品増産を目的とした工場向け提案書のサンプル例文(効果・コスト明記)

提案書作成でよくある失敗と注意点

提案書をうまくまとめたつもりでも「結局、何が言いたいのか分からない」「読みにくい」と感じさせてしまうケースは少なくありません。

ここでは、提案書のよくあるミスと、その対策について具体的に解説します。

❶ 結論が曖昧で何を提案したいのかわからない

最も多いのが「結論の弱さ」です。読んでも何をどうしたいのかが伝わらず、内容がぼやけてしまいます。

🔍 ありがちな失敗例

・改善の必要性は書かれているが、実際の提案内容が不明
・前置きが長くて、肝心の提案が埋もれている
・最後に結論が出てくるパターン(読む側にストレス)

改善のポイント:
冒頭に「何をどうしたいのか」を1文で伝えることを意識しましょう。
例:「現状の作業効率を改善するため、ブース型デスクの導入を提案します。」

❷ 資料に情報を詰め込みすぎて読みにくい

「丁寧に書こう」と意識するあまり、長文・細かすぎる情報で構成され、結果的に伝わらないケースも多く見受けられます。

📌 よくある傾向

・文字ばかりで図解や表がなく、読みづらい
・1ページに情報が詰まりすぎて見づらい
・本文に見積りや細かい計算まで書いている

改善のポイント:
重要な情報だけを本文に集約し、補足は添付資料に分けましょう
図表や箇条書きを使い、視覚的に整理しましょう
読み手の目線で「見やすさ」を意識することが大切です

❸ 対象者に合っていない提案内容になっている

提案相手(上司・経営層・他部門)を意識せずに書いた提案書は、内容の重点や表現がズレてしまい、伝わりにくくなります。

⚠ こんなミスに注意

・技術用語が多く、経営層に通じない
・相手の立場でのメリットが書かれていない
・承認権限を持つ人に伝わらない内容になっている

改善のポイント:
承認者の関心事(コスト・効果・リスクなど)を意識して記述
「誰に何を判断してほしいのか」を明確にする
書き方は、読み手の理解レベルに合わせて調整しましょう

❹ 実行性や費用面での具体性が不足している

提案が抽象的すぎて、実行が可能かどうかの判断がつかないと、承認を得るのは難しくなります。

💸 よくある抜け

・必要な人員や時間が書かれていない
・予算感が不明瞭で「お金がかかりそう」に見える
・段階的な実施方法やスケジュールがない

改善のポイント:
「実行に必要なリソース・費用・スケジュール」を明記
概算でも予算や効果の数値化があると説得力が増します
不明な部分は「検討中」や「要調整」として明記しておく

🔚 ありがちな失敗まとめ

提案書は「内容」だけでなく「伝え方」も評価される文書です。
これらの失敗を避けるだけで、通りやすさは大きく変わります。
誰に、何を、どう伝えるか――その意識を持って構成しましょう。

提案書のよくある質問(FAQ)

提案書テンプレートは無料で利用できますか?
はい。すべてのテンプレートはWord形式で無料ダウンロードできます。登録も不要です。
テンプレートは商用や社外向けに使ってもいいですか?
はい。商用・業務用途での使用は可能です。ただし再配布・販売は禁止されています。
提案書の内容は自分用にカスタマイズできますか?
もちろん可能です。Word形式のため、目的や業種に応じて自由に編集・調整できます。
どんな場面で提案書が必要になりますか?
社内での業務改善・設備導入・人員増員・新規プロジェクトの立案など、さまざまな場面で提案書が役立ちます。

まとめ

この記事では、提案書テンプレートと実際のサンプル例文、書き方の注意点について紹介しました。提案書は、社内の既存の業務を改善したり、営業方法や作業の効率化、経費削減など日常業務を新しい方法で改革するときに作成します。社外向けにはあまり使われません。

サンプル例文は、プロジェクトチーム新設、工場視察、ブース型デスク新調、パートタイマーの増員などを用意したので、同じような提案書を作成するときの参考にしてください。