備品や書籍、パソコンの購入、新規取引の申請など「上長の承認が必要なもの」は日々発生します。そうした場面で必要になるのが「物品購入申請書」や「稟議書」です。
私自身、これまで社内で多数の物品購入に関する稟議を作成してきましたが、通りやすい稟議書というものがあります。それは、「目的が明確」「金額や数量に根拠がある」「購入による業務上のメリットが具体的」であることです。
この記事では、実際に使用した物品購入用の稟議書・申請書の例文テンプレートを、理由の書き方やパターン別にご紹介します。
実際の現場では、パソコン1台でも稟議が通らないことがあるため、費用対効果や作業効率の向上など、数値で説明できる理由を添えるようにしていました。
また、稟議の理由が「上司の納得ポイント」になりやすいため、単に「古いから買い替えたい」ではなく、「○年使用し、故障率が上がっている」「業務時間短縮が見込める」といった記述にすることを心がけています。
物品購入の稟議書テンプレート|目的別に使える例文付き
稟議書は、稟議を通す内容によって書き方や例文が変わってきます。ここでは、稟議書の文例集(例文テンプレート)をパターン別に紹介します。必要な稟議書に近い内容のものを修正して使用してください。
パソコン・周辺機器の購入依頼書の例文とポイント
パソコンなどの物品購入時に提出する稟議書のサンプルです。この例文では、開発部から最新のパソコンを10台購入するように稟議を依頼する形式になっています。
物品を購入する際は、納得できる理由と購入に必要な合計価格を明記する必要があります。必要台数も数字の根拠を示しておくと稟議が通りやすくなります。。

開発効率を上げるために、下記についてご検討をお願いします。
品名 〇〇社製 デスクトップパソコン ABC-DDD1
価格 1台 134,000円 (別紙見積参照)
数量 10台
※ 開発部員1人に1台必要なため 10人分
理由 最新スペックのパソコンで作業することで開発効率が上がり、開発時間や残業時間を削減できるため
添付資料 作業効率に関する計測データ 1通
見積書 1通
ABC-DDD1カタログ 1通
技術書・参考書の購入申請書の書き方と稟議理由
本の購入に関する稟議書はよく使われる稟議書です。金額によっては、稟議書の必要がないケースもありますが、高額の書籍になると承認が必要なケースもでてきます。書籍などの資料購入では、書籍名、価格、購入の理由などを記載します。

最新の技術動向を探り、社内システムをさらに効率よくするための資料として、以下の書籍の購入の許可をお願いいたします。
書籍名 1. コンピュータシステムの理論と実装 ―モダンなコンピュータの作り方
2. RとPythonで学ぶ[実践的]データサイエンス&機械学習
3. Pythonで理解する統計解析の基礎
価格 (別紙見積参照)
理由 現在の社内システムはCOBOLで作成されていますが、COBOL技術者の育成および採用が難しくPythonに置き換えら れるか検討することになりました。そのため、社内システムに関連する上記の書籍を参考に検討したいと思います。
添付資料 見積書 1通
新規取引先との契約に関する稟議書テンプレート
新規の取引先を承認してもらうためには、その会社と取引したときのメリットと客観的な信用に値する資料が必要です。
具体的には、品質が良い、価格が安い、大量の発注ができるなど上長を納得させられればOKです。会社によっては、経営状態などの資料の添付を求める会社もあるので確認しておきましょう。

表題につき、下記のとおり当社との新規取引を開始致したくお伺いいたします。
1. 新規取引検討先
株式会社××××
2. 主な事業内容
各種化学工業薬品及び製品の製造販売並びに輸出入
3. 推奨理由
① 当社の製品である「△△△△」の原料を調査した結果、株式会社××××で取り扱っている部材「ABCDE」が価格、性能ともに優れています。
② 株式会社××××は、売上げが伸びており、経営状況および経営体質も良好な優良会社であります。
4. 添付資料
株式会社××××の会社概要
「△△△△」に関する部材評価書
〇×△社様からの信用照会の回答書
アルバイト採用のための稟議書記載例(人数・時給など)
アルバイト雇用時に提出する稟議書は、人数や条件、時給、作業場所、責任者などを明記するとともに、なぜアルバイトが必要なのかという理由を説明しなくてはなりません。

「○○○○」展示会に参加するにあたり、顧客対応と機材搬入に必要な人員を確保するため、アシスタントスタッフを下記の条件にて採用したく、お伺いいたします。
1.期間
〇〇年〇月〇日(〇)~〇〇年〇月〇日(〇)
2.募集人数
10名
3.給与
時給1,000円
4.作業時間
8:00~17:00(休憩1時間 実働1日8時間)
5.作業内容
機材の搬入補助、パンフレット配布、弊社製品の簡単な案内
6.雇用条件
20歳~30歳ぐらいまでの男女
7.責任者
管理課長 ○○〇〇
研修参加費用の申請に使える稟議書の文例
研修に参加する際に稟議書が必要な企業もあります。毎年決まっているような研修であれば、その旨を記載しておけば承認を得やすいでしょう。
初めての研修に参加する場合には、その研修の目的や研修に参加することのメリットを説明できるといいでしょう。

下記のとおり○○社主催の「○○」営業研修に営業1課5名で参加を希望いたしたく、お伺いいたします。
日時 ○○年〇月〇日(〇) 〇時~〇時
場所 東京都日本橋研修センター
費用 1名につき5,000円 (計:25,000円)
受講希望者 営業1課5名(佐藤、鈴木、高橋、田中、斎藤)
目的 ① 自己流ではない組織的な営業手法を学ぶため
② 他社と同じ研修で学ぶことで刺激を受けるため
備品修理に関する稟議書(業者・費用の記載方法)
パソコンなどの機材を修理する場合の稟議書です。修理する業者や修理の概算価格などを記載します。

情報管理部で使用しているノートパソコン1台が、電源起動時に異音がしてエラー画面が表示されます。メーカーに問い合わせたころ、ハードディスクが故障している可能性があるとのことです。そのため、下記メーカーに修理依頼を行う許可をお願いいたします。
メーカー 〇〇社
修理費用 〇〇万円
受講希望者 営業1課5名(佐藤、鈴木、高橋、田中、斎藤)
理由 今回修理を依頼するノートパソコンは、情報管理部の共有パソコンで社内の情報管理に関する資料が多く保存されている。社内ファイルサーバには保存されていない資料もあるため、早急な修理と復旧が必要。
社内イベント(飲み会等)の開催申請と稟議の例文
飲み会を開催する際の稟議書の例文です。例文サンプルは、取引先なども対象とした少し大きめの忘年会ですが、部単位の小規模な飲み会でも同じような書式で記載します。

今年度の従業員を労う目的と、会社に重要な取引先と懇親を兼ねて下記の通り忘年会の開催許可をお願いいたします。
実施日 〇〇年〇〇月〇〇日(〇)
金額 〇〇万円
目的 現在我が社には、従業員が一同に会する機会および、取引先との懇親を行う機会がありません。弊社主催の忘年会を開催することで従業員の労働意欲や生産性の向上および、取引先との更なる繋がりを期待できます。
メールで提出する物品購入申請書の例文
メールで稟議書を送る場合も基本は変わりませんが、メール用に内容を簡潔にする必要があります。以下は会社で使う備品の購入時に送るメールのサンプルです。
備品購入稟議のメール文例(簡潔・実用形式)
〇〇部長
〇〇様
以下のとおり備品購入を申請したします。
1. 品目:xx社製 デスクトップパソコン(型番:xxxxxxx)
2. 目的:現在使用しているデスクトップパソコン(型番:○○○〇)が故障し、メーカーに問い合わせたところ古い機種で部品が調達できず修理ができないと回答されたため
2. 数量:1台
3. 金額:xxxxxx万円
4. 添付資料: 製品HP https://xxxxxx.com/xxxxx-xxxx.html
5. 備考:モニタは既存のものがあるので不要
以上よろしくお願いいたします。
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署名
メール形式でも伝わる稟議理由の書き方とは
稟議書をメールで提出する場合、紙の場合よりも文字量が限られるため、簡潔で要点の伝わる理由の書き方が求められます。
以下のポイントを押さえると、承認者に意図がしっかり伝わり、スムーズに通りやすくなります。
- 結論から先に書く(何を購入・申請したいのか)
- 理由は簡潔に1〜2文で(業務上の必要性を明記)
- 数値や背景を入れる(説得力がアップ)
📧 メール稟議:理由の良い書き方(例)
新しいPCを導入することで業務復旧が可能となり、今後の作業効率も改善されます。
⚠ よくあるNGパターン
☑ 業務との関連が不明
☑ 承認しにくい理由の代表例
✨ ポイントまとめ
・修理不可・非効率・他社員への影響などを添えると◎
・数字(〇年使用/〇%削減)を盛り込むと説得力UP
物品購入申請書・稟議書の正しい書き方とフォーマット
稟議書や購入申請書は、単に「欲しいから買う」という感覚で書くものではありません。会社の予算を使って物品を購入するため、なぜ必要なのか・いくらかかるのか・どんな効果があるのかを明確に記載する必要があります。
ここでは、承認されやすい申請書や稟議書を作成するためのポイントを解説します。
物品購入の目的・理由の書き方
物品の購入目的は、「業務効率の向上」「現行機器の不具合」「作業環境の改善」など、客観的で具体的な表現にするのが基本です。
- NG例:「古くなったから」「なんとなく不便」
- OK例:「5年以上使用しており、修理不能の状態。業務影響を防ぐため買い替えが必要」
数値(年数、使用頻度、作業時間など)を含めると、説得力が大幅に増します。
書式に含めるべき情報(数量・金額・添付書類)
稟議書や購入依頼書の書式では、以下のような項目をもれなく記載しましょう。
- 📅 申請日・申請者名・部署
- 📦 品名・型番・数量
- 💰 単価・合計金額(税別/税込)
- 📄 添付資料(見積書、製品情報、比較資料など)
特に「数量」と「金額」は、購入の必要性とコストの妥当性のポイントです。また、見積書があると、上長の判断がスムーズになります。
購入稟議でよく使われる表現例・文型のコツ
申請書に慣れていない方でも使いやすい、稟議書でよく使われる言い回しや文型は以下のとおりです。
- ・業務効率を向上させるため、〇〇の購入を申請いたします。
- ・老朽化により修理不可のため、代替機の購入が必要です。
- ・複数社を比較した結果、性能と価格のバランスから本製品を選定しました。
- ・添付の見積書および製品情報をご参照ください。
ポイント:堅すぎず、明確に。目的 → 理由 → 補足資料の順で整理すると読みやすくなります。
見積書や製品情報の添付が必要な理由
見積書や製品資料の添付は、以下のような理由で必須です。
- ✔ 金額の根拠を明示できる(見積書)
- ✔ 購入予定品のスペックを説明できる(製品カタログ)
- ✔ 他社比較やコスパの優位性を示せる(比較表など)
資料を添えるだけで、内容の透明性と承認率が上がるため、稟議書には必ず添付しましょう。
物品購入申請・稟議書でありがちな失敗例と対策
せっかく提出した物品購入申請書や稟議書が、承認されない原因は、実は基本的なポイントにあることが多いです。
ここでは、よくある失敗例とその対策をケース別に解説します。
理由が曖昧で承認されないケース
「古くなったので買い替えたい」「不便だから新しいのが欲しい」など、主観的な理由のみでは、判断材料として不十分です。
✅ 対策:
「何年使用しているか」「どのような不具合が発生しているか」など、客観的な事実や業務影響を添えて理由を具体的に書きましょう。
金額・数量に裏付けがない申請書の例
「予算は10万円くらい」「5台くらい購入予定」など、曖昧な表現はコスト管理の観点から承認されにくくなります。
✅ 対策:
見積書に基づいた正確な単価・合計金額・数量を記載し、必要台数の根拠もあわせて説明しましょう(例:10人のスタッフが使うため10台)
社内フォーマットを無視して却下されるパターン
会社で指定されている稟議書・申請書の様式を使わずに提出すると、形式不備として却下されることがあります。
✅ 対策:
まずは社内のルールやフォーマット添付書類不足による差し戻しとその予防策
申請理由は明確でも、見積書や製品仕様書、比較資料などの添付がないことで差し戻されるケースもあります。
✅ 対策:
物品購入の稟議には、以下のような関連資料の添付があると信頼性が高まります。
- 📄 見積書(複数社比較があるとベター)
- 📘 製品カタログ・仕様書
- 📊 費用対効果がわかる補足資料
添付資料が揃っていれば、申請内容に対する理解が深まり、スムーズな承認につながります。
よくある質問(FAQ)
まとめ
稟議書の書き方や文例集、例文が入ったワードのテンプレートについて紹介しました。稟議書とは、会議を重ねて検討するほどでもない事項について承認や決済をもらうためのビジネス文書です。
稟議書は、稟議書の内容を承認した場合、会社にとってどんなメリットが得られるかを、具体的に書くことで承認を得られやすくなります。稟議書の基本的な書き方や注意点を確認して、業務をスムーズに進めてください。