業務改善やシステム開発の現場で、長くフロー図を作ってきました。その中で使いやすかった型をもとに、業務フロー図テンプレート(Excel)を公開しています。
「どこから書き始めればいいのかわからない」「作ったけれど見づらいと言われた」。そんなときに、まずたたき台として開きやすい一枚です。
業務フロー図の空のテンプレート(Excel用)
業務フロー図を自分で組み立てたいときに使える、図柄なしのExcelテンプレートです。枠だけの状態なので、業務に合わせて一から入れていけます。
※ 下の画像には参考用の記号を置いていますが、実際のテンプレートでは印刷範囲に入っていません。使うときは必要な記号だけを入れてください。
「とりあえず形にしてみよう」で始めると、最後まで作っても何の図なのかがぼやけやすいです。最初に、誰が見る図なのか、何を伝える図なのかだけでも決めておくと、途中で迷いにくくなります。
正式な記号をたくさん使えば伝わる、というわけではありません。現場では、四角と矢印、分岐に使うひし形くらいに絞ったほうが、かえって読みやすいことが多いです。
自分の担当範囲は細かく書いているのに、部門をまたぐ受け渡しだけ急にざっくりしてしまうことがあります。すると後から「実際はここで確認が入る」「この申請が抜けている」とずれが出やすいです。いちばん止まりやすいのは、その境目だったりします。
人の動きと、データや書類の流れを一枚に詰め込むと、線が増えて一気に見づらくなります。途中で自分でも追えなくなることがあるので、迷ったら図を分けたほうが結局は早いです。
作っている最中は画面を拡大できるので気づきにくいのですが、印刷してみると文字が思った以上に小さい、ということがよくあります。A4で使う前提なら、途中で何度か印刷プレビューを見ておくほうが安心です。
製造業向け業務フロー図テンプレート(Excel版)
顧客から注文が入り、製品が手元に届くまでの流れを追うと、製造業の仕事は大きく3つの段階に分けて見やすくなります。
1. 注文を受ける 📝
顧客から注文が入ったら、まず営業担当者が内容を確認します。数量、納期、仕様にずれがないかを見たうえで、社内システムへ登録します。最初の確認が甘いと、そのあと製造や出荷まで引きずりやすいので、この段階は意外と重いところです。
2. 工場へ製造を指示 🏭
入力が終わると、工場側の製造担当へ指示が渡ります。何を、いつまでに、いくつ作るのか。この情報がずれると、現場はすぐ止まりやすいので、ここは短くてもはっきり書いておきたいところです。
3. 製品を製造して出荷 🚚
指示を受けた製造担当者が製品を作り、検品や梱包を経て出荷へ進みます。顧客の手元に届くまでを一本の流れとして見ると、どこで確認や受け渡しが入るのかが見えやすくなります。
シンプルな業務フロー図(Excel記号版)
記号だけで組んだ、シンプルな業務フロー図です。まず流れを整理したいときは、このくらいの情報量のほうが扱いやすいことが多いです。
アイコン入りの業務フロー図(Excelで説明資料にも対応可能)
記号に加えてアイコンも入れた、説明資料向けのバージョンです。社内向けの共有や打ち合わせ資料に使うなら、こちらのほうが直感的に伝わりやすいこともあります。
- 部門ごとに色を分けて、どこまでが誰の担当かを見やすくする
- 顧客や上司など、途中で関わる相手がいれば図の中に入れる
- 納期や処理時間は吹き出しで補足して、本文を詰め込みすぎない
- レビュー用にコメント欄を追加して、修正のやり取りを残しやすくする
- 社内マニュアルとつなぐリンクを置いて、参照先を迷いにくくする
業務フロー図の書き方
業務フロー図の書き方はいくつかありますが、「必ずこの形でないといけない」というものではありません。先に決めておきたいのは、次の2つです。ここが曖昧なまま描き始めると、途中で線も項目も増えがちです。
- この図を誰が見るのか
- どの業務の図を書くのか
たとえば要件定義で使うなら、まずはユーザーが見て流れを追いやすい概略図のほうが伝わりやすいです。逆に、設計や開発寄りで細かい条件まで整理したいなら、UMLやアクティビティ図のほうが合うこともあります。
業務フロー図で使う記号
ExcelやPowerPointに入っているフローチャート記号を使うと、図の読み方をそろえやすくなります。JIS記号に寄せておくと、見る人が変わっても意味を取り違えにくいです。

業務フロー図を書く5ステップ
- 業務フロー図の定義を決める
- 業務に必要な部門を設定する
- 業務に必要な処理をおおまかに決める
- 処理を線でつなぐ
- 詳細が必要な部分を増やす
業務フロー図の作り方と整え方(Before→After実例)
ダウンロードしたテンプレートを、そのまま実務で使いやすい形まで整える流れを Before→After でまとめています。最初は図なしの表から始めて、部門ごとの整理、最後にA4で見やすい形へ調整していく流れです。
初期:表の素案(図なし)を作る
- 列見出し(工程/担当/トリガー/出力/期限/チェック)を作成
- A4横・余白10mm・印刷範囲を設定
- 行高22–24pt、列幅を役割ごとに最適化
- ダミー3行を見本として入力

中間:部門の色分けと矢印の整列
- 部門帯(スイムレーン風)に淡色を設定し、部署名を明記
- フローチャート記号+コネクタで接続(交差ゼロを徹底)
- 整列/等間隔/サイズ統一で体裁をそろえる
- グリッド・選択ウィンドウで位置とレイヤーを整理

完成:A4最適化と凡例・注記で仕上げ
- 印刷の拡大縮小を「横1 × 縦1」に設定、改ページプレビューで微調整
- 凡例(記号の意味)と注記(前提/版/更新日)を図の外側に配置
- フォント10–11pt、見出し12pt、読みやすさ優先
- PDF出力で崩れがないか最終確認

業務フロー図作成ツール
Excelは印刷しやすく、帳票っぽい見せ方には向いていますが、線の扱いや図形の自由さでは少し窮屈に感じることがあります。そういうときは、クラウドツールや専用ソフトを使ったほうが早い場面もあります。
オンライン(クラウド)で使えるツール
以下は、オンラインで業務フロー図を作れるサービスです。実際に触ってみると、操作の軽さはローカルアプリのほうが上だと感じる場面もあります。ただ、クラウド版は共有しやすく、テンプレートも豊富なので、チームで回すときはかなり便利です。
Cacoo
Cacooも業務フロー図のテンプレートやサンプル、図形の種類も豊富です。フローチャートの他にもワイヤーフレーム、AWS構成図、マインドマップ、組織図などのテンプレートと図形が多くあり、いろいろな用途で使用できます。
Googleスライド
簡単な業務フローを作るなら、Googleスライドはかなり手軽です。図形を置く、線を引く、位置をそろえるといった作業がやりやすく、複雑すぎない図なら十分組めます。Googleアカウントがあればすぐ触れるので、まずはざっくり形にしたいときに向いています。
https://www.google.com/intl/ja_jp/slides/about/
LucidCahrt
豊富なフローチャートの種類と図形、テンプレートが魅力のオンラインツールです。フローチャート専用テンプレートや、フロー図記号一覧ガイド、フローチャートの基本作成ステップ&書き方ガイドなども提供しコンテンツが豊富です。ユーザー1名までは無料で使用できます。
https://www.lucidchart.com/pages/ja
draw.io
draw.io はテンプレートやサンプルが多いので、どんな形で描けばいいかの見当をつけやすいです。PNG、SVG、PDF、HTML など書き出し形式も多く、作ったあと別の資料へ回しやすいのも便利なところです。
ローカルPCインストール型
最近はオンライン型が増えていますが、ローカル環境でしっかり作り込みたいなら、専用ソフトのほうが扱いやすいこともあります。とくに、図形の量が増える図では差が出やすいです。
もちろん、エクセルでも業務フロー図は書けるのですが、以下のツールはフロー図を描くのに特化しているのでアイコンが豊富、処理の流れを示す線が引きやすいといった特徴があります。
Viso
ローカルで業務フロー図を描くなら、Microsoft の Visio は定番です。Excel よりも図を描くことに寄っているので、線の接続や整列を繰り返す作業はかなりやりやすくなります。
https://products.office.com/ja-jp/visio/flowchart-software
Edraw
Edrawは、200種類以上のダイアグラムを作れるツールです。簡易的な業務フローから、アイコンをつかったビジュアルなものまでレベルに合わせて使用できます。特にアイコンの種類が豊富にあるので、自分でアイコンを探す手間が省けます。体験版は15日間無料で使用できます。
https://www.edrawsoft.com/jp/process-flow-tool.html
関連するリンク
よくある質問(FAQ)
まとめ
ここまで、業務フロー図の作り方と、すぐ使える Excel テンプレートを見てきました。
フロー図を作ると、全体の流れが見えるだけで他部署との会話がかなりしやすくなることがあります。実際に図を出した途端、「この工程、うちも関わっていたんですね」と話がつながる場面はよくあります。口頭だけだと流れてしまう確認が、図にすると急に見えてくることがあります。
製造業の案件でも、いきなり図から入るのではなく、先に図なしのテンプレートで工程や担当、条件を並べて整理したことがありました。そのあとフロー図に起こすと、部門間の受け渡しがどこで発生しているかが見えやすくなります。
数字を大きく出すより、まずは「どこで止まるかが見えるようになった」といった変化のほうが、現場では実感しやすいこともあります。作ることより、先に整理するほうが進めやすい。そういう場面はかなりあります。
■ 最終更新日


