はじめまして。Bizroute編集担当の山中です。私は、中小企業の事務担当として、さまざまな書類を作成した経験をもとに情報を発信しています。
「雇用契約書って、どこまで書けばいい?」
そんな疑問が毎日のように出ます。そのたびに検索サイトで探して、違う答えばかり出てきて——という経験、絶対ありますよね?
ビジネス書類には、税法・労働法・商業登記法など、さまざまな法令が絡みます。ネット上の情報は参考になる反面、根拠がはっきりしないものも混じっています。どこを見ればいいか知っているだけで、仕事中の焦り方がかなり違います。
この記事では、Bizroute作成時に繰り返し使い続けてきた公的機関サイトと実務サービスを、計六つ紹介します。必要なものをブックマークしておけば、書類を作るときに必ず役に立つはずです。
公的機関:まず「正しいか」を確かめたいときに
書類の根拠を確かめるとき、最終的に頼りになるのは公的機関の情報です。ネット上の解説記事ではなく、ルールを作っている側の言葉で確認できると、迷いがなくなります。
国税庁
インボイス制度(適格請求書等保存方式)の記載要件、帳票の記載例、電子帳簿保存法のQ&Aなど、税務書類にまつわる公式情報が集まっています。改正のたびに更新されるので、古い情報をつかむ心配がありません。
インボイス制度が始まる直前、請求書フォーマットを全部見直す必要が出てきました。何をどこに書けばいいのか整理できないまま作業していたとき、このサイトの記載例PDFを開いたら「あ、これだ」と思いました。登録番号の位置も、税率ごとの内訳の書き方も、一枚の例にまとまっていて、そのまま確認しながら作業できました。
ただ、トップページから目的のページへは辿り着きにくいです。「国税庁 インボイス 記載例」など直接的なキーワードでGoogle検索するほうが圧倒的に早いです。Q&Aページはかなり細かくて、読み始めると時間が消えます。業務時間外に開くのをおすすめします。
厚生労働省
労働基準法に基づく労働条件通知書の様式、就業規則のひな形、三六協定の届出書類など、雇用にかかわる書類のモデル様式が公開されています。Wordファイルで配布されているものも多いので、ダウンロードしてそのまま編集できます。
パートスタッフをはじめて雇ったとき、書式ファイルをダウンロードしてそのまま使えたのは助かりました。「一から作らなくていい」というだけで、あんなに気持ちが楽になるとは思っていませんでした。
ただ、パートタイム・有期雇用・正規雇用で様式が別々だと、このとき初めて知りました。全部おなじだと思っていたので、焦りました。結局、三種類全部ダウンロードして見比べることになりました。最初からそうすればよかったです。
中小企業庁
https://www.chusho.meti.go.jp/
ものづくり補助金・持続化補助金などの公募要領、事業計画書の参考様式、採択事例集が公開されています。補助金の書類を初めて作るなら、まずここを見ておくといいです。
補助金の申請書類を初めて作ったとき、事例集を読みました。読み始めて、すぐに自分の計画書が恥ずかしくなりました。採択された会社の文章は、数字も課題も解決策も、全部きちんと言葉になっていました。正直、私が書いたものと並べたくなかったです。
公募要領は毎年変わります。前の年のファイルを使って進めてしまったことがあって、締め切り三日前に気づきました。血の気がサーっと引く感じはもう二度と経験したくありません。最新版かどうかだけは、必ず確認してください。
法務省
会社登記の手続き、定款に関する情報、商業・法人登記の申請書様式が公開されています。役員変更や本店移転など、登記まわりで何かあったときに開くサイトです。
代表取締役の変更登記を自分でやろうとしたとき、最初にページを開いて少し固まりました。押印の種類、添付書類の通数、細かい指定がずらっと並んでいて、「本当に自分でできるのか」と思いました。手順を印刷して一つずつ線を引きながら進めて、なんとか窓口に出せました。終わったあとは、達成感というより「やっと終わった…」という感じでした。もう一回やれと言われたらたぶん外注します。
オンライン申請も選べるので、次はそちらを試してみるつもりです。
規格・ガイドライン:形式をそろえる根拠がほしいときに
書類の内容が正確でも、形式がバラバラだと読みづらく、信頼感も落ちます。社内書類の様式を統一するとき、参照できる規格があれば、社内での説明にも使えます。
日本規格協会(JIS)
日本産業規格(JIS)の概要・適用範囲を無料で確認できます。ビジネス文書に関連するJIS規格の範囲を知る入口として使えます。規格全文の閲覧は有料ですが、要旨の確認だけなら無料でできます。
社内の文書様式をそろえようとしたとき、本当に妥当かで意見がまとまらない時期がありました。「JIS規格に合わせる」という方針にしたら、何度も行ったり来たりしていた話がすっと終わりました。少し複雑な気持ちにもなりましたが。
規格の全文が必要になった場合、産業技術図書館や大きな公共図書館で見られることがあります。購入前に図書館を調べてみると、費用が省けることがあります。
実務サービス:実際に書類を作るときに使うもの
一次情報で正しいことを確認したら、次は実際に書類を作る段階です。解説とひな形がセットになっているサービスを使えば、速さとミスの少なさを両立できます。
クラウドサイン(サインのリ・デザイン)
https://www.cloudsign.jp/media/
電子契約の法的な有効性、契約書の基本的な構成と各条項の意味、業種別の契約書ひな形など、契約の実務にかかわる記事が充実しています。弁護士ドットコムグループが運営していて、むずかしい法律の話を、実務で使える言葉で書いてくれています。
業務委託契約書を自分で作ったとき、細かいところで何度も手が止まりました。「この条項、なんのためにあるんだろう」と思いながら書いていたので、このサイトの記事を読んで「そういう意味だったのか」とわかったときは、ちょっとすっきりしました。もっと早く読めばよかったとも思いました。
契約まわりは、作り終わっても「これで本当に大丈夫か」という気持ちが残りやすいです。このサイトを見ながら作ると、その不安が少し小さくなります。なくなりはしないですが。
確実な情報が必要なときは、これらのサイトを参照してください。そのとき必要な情報だけ確認すれば十分です。
※ 各サイトの情報は随時更新されます。法令・制度の変更が多い分野は、必ず最新ページをご確認ください。
※ この記事は情報提供を目的としており、法律・税務上の助言を行うものではありません。個別のご判断は専門家へのご相談をおすすめします。