システム開発テンプレート

目的
テスト仕様書は、要件定義・基本設計・詳細設計の内容が「意図どおりに実装されているか」を検証するための設計書です。属人的なテストや抜け漏れを防ぎ、再現性のある品質保証(QA)を行うための基準になります。

本テンプレートの特徴
・単体/結合/総合(システム)テストの粒度に合わせて使えるExcel版
・テスト、前提条件、入力値、手順、期待結果、受入基準、判定、備考を網羅
・要件IDとのトレーサビリティとカバレッジ(網羅率)の管理を意識した構成

編集方針
編集部は多数の実務事例を参考に、現場でそのまま使える書式を目指して調整しています。社内開発/受託開発のいずれでも使いやすいよう、最小限で始めて拡張しやすい構成にしています。

テスト仕様書の例:単体テスト(関数・メソッド単位の検証)
テスト仕様書の例:結合テスト(モジュール間インターフェースの検証)
テスト仕様書の例:総合テスト(システム・業務フロー全体の検証)

zipファイルの中には、単体テスト、結合テスト、総合テストの項目を記述するためのテンプレートがあります。

エビデンスを貼ったり、不具合の詳細を記述するスペースはないので、別にファイルが必要になるかもしれません。

テスト仕様書のテンプレート

ファイル名 test_siyousyo.zip
収録内容 単体テスト仕様書・結合テスト仕様書・総合テスト仕様書(各Excel)
ファイルタイプ エクセル
作成バージョン Excel 2013 以降
ファイルサイズ 30.07 KB
データ利用規約
・無料でご利用できますが著作権は放棄しておりません。
・当サイトのコンテンツを無断で複製・転載・転用することを禁止します。
・当サイトのデータの利用は、お客様ご自身の責任において行われるものとします。
・当サイトから入手されたデータにより発生したいかなる損害についても、一切責任を負いません。
・テンプレートのご利用によるトラブルの対応やサポートはしておりません。

テンプレートの使い方(最短導入手順)

  1. 要件定義書・設計書から要件IDを抽出して、テスト仕様書の「要件ID」「テスト観点」に紐づけます(トレーサビリティ)。
  2. テストレベル(単体/結合/総合)ごとにシートを選び、前提条件・データセット・手順・期待結果を記入します。
  3. 正常系・異常系・境界値・例外系を観点ごとに洗い出してテストケースを追加します。
  4. 判定結果・証跡の格納先(スクリーンショットやログのパス)を記録します。
  5. 未カバーの要件がないかカバレッジを確認し、ギャップを解消します。

テスト仕様書の書き方(記載項目と例)

  • 要件ID/機能ID
    要件定義・設計書と一致させます。例 RQ-UI-023
  • テスト観点
    表示・入力・計算・バリデーション・エラーハンドリング・権限・パフォーマンス・セキュリティなど
  • 前提条件
    認証状態、ロール、テストデータ、初期化手順、環境依存設定
  • 入力値/操作
    境界値(min/max)、異常文字、桁数超過、NULL、同時操作など
  • 期待結果
    画面・APIレスポンス・DB更新・ログ出力・メッセージID
  • 受入基準
    合否基準、許容誤差、応答時間(例:P95 2.0秒以内)
  • 証跡
    スクリーンショット、HAR、DB差分、ログの保存場所(別ファイル可)
  • 判定/備考
    OK/NG、再現条件、暫定対応、チケット番号

単体・結合・総合テストの違いと仕様書の使い分け

単体テスト(ユニット/コンポーネント)

最小単位(関数・メソッド・API単体)を対象に、ロジックやバリデーションを詳細に検証します。モックやスタブの前提条件を明記します。

結合テスト(インターフェース/API間)

モジュール間のデータ受け渡し、インターフェース仕様、エラーパスを重点的に確認します。シーケンスと例外時の整合性を重視します。

総合テスト(システム/業務シナリオ)

業務フロー全体を通して、権限、状態遷移、スループット、非機能要件(性能・セキュリティ・可用性)も含めて検証します。

テスト仕様書と他の「仕様書」との違い

要件定義書
実現すべき振る舞い・制約を定義する上流文書(何を作るか)

基本設計書/詳細設計書
構造・画面・API・データを設計する文書(どう作るか)

テスト仕様書
上記の要件・設計を検証するための具体的な手順と期待結果を定義(正しく作れたか)

テスト計画書
体制・スコープ・日程・リスク・完了基準(出口基準)を定める上位計画

テスト報告書
実施結果・不具合統計・残課題・品質評価をまとめる成果物

環境・テストデータ・証跡のベストプラクティス

  • 環境情報:OS/ブラウザ/バージョン/端末/地域設定/タイムゾーン/APIエンドポイント
  • データ管理:初期化スクリプト、匿名化データ、再現データのバージョン付け
  • 証跡保管:スクリーンショット、ログ、SQL差分、API記録(例:HAR)の保管先を仕様書から参照
  • 不具合管理:ISSUE番号やチケットURLを仕様書の備考欄へ記載

よくあるミスと再発防止チェック

チェックリスト(ミス防止)

  • 手順が曖昧で再現性がない(誰が実行しても同じ結果になる記述にします)
  • 期待結果が抽象的(数値・メッセージID・UI要素など具体値で定義します)
  • 境界値/異常系が不足(最小値・最大値・空・重複・タイムアウトを洗い出します)
  • 要件ID未紐づけで網羅率が不明(要件とケースのマトリクスを維持します)
  • 証跡の保存場所が散逸(仕様書から共通リポジトリのパスを参照します)

関連テンプレート

よくある質問(FAQ)

テスト仕様書とテストケースはどう違いますか?
テスト仕様書は観点・前提・期待結果などを体系立てて定義する設計書で、テストケースは仕様書に基づく個々の実行単位です。本テンプレートでは同一シートで管理できる構成にしています。
エビデンス(スクリーンショットやログ)はどこに貼りますか?
Excelのセルに直接貼ると肥大化しやすいため、共有ストレージに格納し、仕様書の「証跡」欄にパスまたはチケット番号を記載する方法を推奨します。
カバレッジはどのように管理しますか?
要件IDとテストケースをマッピングし、未カバー要件をゼロにする運用を基本とします。観点(正常・異常・境界値)の有無を列で管理すると可視化しやすいです。
総合テストでは非機能要件も扱いますか?
扱います。性能(応答時間・スループット)、セキュリティ(認可・入力検証)、可用性などの基準を期待結果・受入基準に明記してください。
Googleスプレッドシートでの運用は可能ですか?
可能です。複数名で同時編集する場合は変更履歴とフィルタビューを活用し、列幅・改行ルールをテンプレートに合わせて固定してください。