依頼書は、業務や作業を正確に進めるために欠かせない文書です。特に「作業依頼書」「業務依頼書」は、社内外でのやり取りや外注業務をスムーズに進めるための重要な役割を担います。
本記事ではExcel・Word形式の依頼書フォーマットを無料でダウンロードできるようにし、書き方や注意点を実務経験をもとに解説します。
なお、メールや手紙に使える依頼文の文章例をお探しの方は、以下の専用ページをご覧ください。
依頼文テンプレート(文章例はこちら)
作業依頼書とは(目的・効果・使う場面)
作業依頼書は、誰が・何を・いつまでに・どのような品質で、実施するかを指示し、認識のズレや手戻りを防ぐための文書です。
いつ作成するか(社内/外注/協力会社)
- 社内:
部門間の作業依頼(設備点検、資料作成、データ抽出 など) - 外注:
Web制作、調査、納品前検査など、特定タスクの委託時 - 協力会社:
共同プロジェクトでの役割分担・納期・報告方法の明示 - 緊急案件:
短納期・特急対応の条件や優先度を事前合意
作成メリット(認識合わせ・トラブル防止・進捗管理)
- 認識合わせ:
作業範囲・品質基準・除外事項を共有し、後出しを防止 - トラブル防止:
期限、報告方法、承認経路を事前に定義し、責任の所在を明確化 - 進捗管理:
中間報告・検収条件の設定で、遅延や品質劣化を早期検知
作業依頼書の書き方と必須項目(チェックリスト)
書き方で迷いやすいポイントをチェックリスト化しました。抜け漏れがないか、曖昧な表現がないか確認しながら作成してください。
依頼目的・背景/作業範囲(スコープ)
- 目的:
なぜ必要か(例:不具合再発防止のため 手順書改訂) - 背景:
発生事象・現状課題・期待効果の要点 - 対象範囲:
含める作業/除外する作業(境界を明確に) - 成果物:
ファイル名・形式・ページ数・版数・命名規則
作業内容の明細(手順・成果物・品質条件)
- 作業手順:ステップ分解(1→2→3)と担当
- 品質条件:検査観点、合否基準、レビュー観点、許容差
- 成果物要件:テンプレート指定・拡張子・レイアウト・図表必須
期限・納期・報告方法(チャネル・頻度)
- 納期:最終期限、時刻、タイムゾーン、遅延時の連絡先
- 中間報告:報告頻度(例:毎週水曜)、報告媒体(Teams/メール)、形式
- 検収:受入条件、修正回数、再提出期限
責任者・連絡先・承認欄
- 依頼者:氏名・部署・連絡先・権限範囲
- 実施者:担当者・役割・代替連絡先
- 承認:決裁者、段数、決裁日、差戻しフロー
費用・支払い条件(必要な場合)
- 見積条件:単価・工数・交通費・追加費用の算定方法
- 支払い条件:締め日、支払日、検収起算、請求書様式
- 変更管理:スコープ変更時の承認・見積やり直しルール
作業依頼書テンプレート(無料ダウンロード:Excel)
用途に応じて社内用と社外用を用意しています。下記の特徴を参考に選択してください。
社内向けフォーマット(簡潔・運用重視)
- チェックボックスと選択式で入力ミスを抑制
- 承認欄・進捗欄を1枚に集約し、回覧と記録を両立
- 非機密前提のレイアウトで共有しやすい
社外向けフォーマット(条件明記・正式書式)
- 作業範囲・品質基準・検収条件・秘密保持の明記
- 役割分担、問い合わせ窓口、再提出期限を明文化
- 版管理欄・ページ通し番号で差し替え漏れを防止
想定ユースケース:外注設計、調査、UI制作、検査代行、翻訳 など
例文でわかる作業依頼書(社内/社外)
最小限で要点が伝わる作業依頼書の例文です。内容は自社用に調整してご利用ください。
社内向け作業依頼の例文(短文・回覧想定)
目的:検査漏れ削減のため、手順の標準化を実施
範囲:外観検査〜出荷判定まで(包装工程は除外)
納期:YYYY/MM/DD 17:00(中間報告:毎週水曜 10:00)
成果物:手順書(Word 10頁以内)、チェックリスト(Excel)
報告:Teams「品質改善」チャネルへ投稿、最終はメール添付
承認:品質保証部長/差戻し時は再提出3営業日以内
外注先への作業依頼の例文(条件・納期・報告を明記)
目的・背景:表示速度改善(LCP指標の改善)
作業内容:対象200枚、幅1200px、圧縮率指定、命名規則遵守
品質条件:文字可読性維持、劣化バンディング不可、差分確認表提出
納期:YYYY/MM/DD 12:00(進捗報告:隔日17:00/メール)
検収:サンプル20枚で先行検収→全量納品→最終検収3営業日
費用・支払い:見積別紙の通り(検収月末締め翌月末払い)
業務依頼書との違い(範囲・継続性・責任分担の比較)
作業依頼書は「単発のタスク」に強く、業務依頼書は「継続的な業務委託」に適します。範囲や責任の置き方が異なるため、目的に応じて使い分けます。
単発作業=作業依頼書/継続業務=業務依頼書
- 期間:短期/都度発注 vs 中長期/定常
- 成果物:個別タスクの成果物 vs 継続提供・SLA・体制
- 責任:タスク完了責任中心 vs 運用責任・体制維持
比較表(目的/対象/期間/成果物/承認フロー)
| 項目 | 作業依頼書 | 業務依頼書 |
|---|---|---|
| 目的 | 個別タスクの完遂 | 業務運用の委託 |
| 対象 | 特定作業・限定範囲 | 業務プロセス全体/一部 |
| 期間 | 短期・スポット | 中長期・継続 |
| 成果物 | 明確なアウトプット | 継続成果・SLA |
| 承認 | 部門決裁で迅速 | 契約/稟議を伴う |
注文書との違い(発注・取引条件中心との境界)
注文書は主に価格・数量・取引条件を扱い、作業依頼書は作業仕様や品質条件を扱います。両者を併用することで、仕様と取引条件の双方を明確化できます。
併用するケース(仕様確定→発注の流れ)
- 作業依頼書で仕様・範囲・品質・納期を合意
- 見積・検収条件を確定(必要なら発注前サンプル検収)
- 注文書で金額・数量・支払条件・取引条件を発行
よくある失敗と注意点
作成時に、つまずきやすい箇所を知っておくことで、差戻し・遅延・追加費用の発生を抑制できます。
範囲が曖昧(後出し作業・追加費用の火種)
- 「例示のみ」ではなく、除外事項も明記し境界を固定
- 成果物の具体要件(形式・ページ数・精度)を定義
報告方法が未定(品質・納期のズレ)
- 中間報告の頻度・媒体・様式を決める(例:週次レポート)
- 遅延時の一次連絡先・判断基準を明文化
承認ルール不明(差し戻し・責任の所在不明)
- 決裁者の氏名・役職・決裁期限を記載
- 差戻し時の再提出期限・回数制限を設定
よくある質問(FAQ)
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まとめ
「作業依頼書」や「業務依頼書」は、社内外でのやり取りを円滑にし、認識の間違いやトラブルを防ぐことができます。
このページでは作業依頼書テンプレートを無料でダウンロードできます。ExcelやWord形式で使用できるため、社内向け・社外向けを問わず幅広く活用できます。
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依頼文テンプレート(メール・文例集)

