ネットワーク構成図は、機器のつながりや役割を一枚で伝えるための資料です。口頭では伝わりにくい内容も、図にするとすっと整理しやすくなります。
あわせて、PowerPointで作った簡易な構成図サンプルも掲載しています。提案書に入れる図、社内説明用の図、運用メモに近い図では見せ方が少し変わります。そのあたりも踏まえて、アイコンの選び方や並べ方を整理しました。
最初の一枚でありがちなのは、情報を詰め込みすぎて逆に読みにくくなることです。少し余白を残すくらいが、むしろ伝わりやすいです。
ネットワーク構成図テンプレートの使い方
対応ツール(PPT・Visio・diagrams.net)
- PowerPoint(PPT)
提案書や稟議資料、社内説明用の「見せる図」を作るときに扱いやすいです。図形の色や線をあらかじめそろえておくと、擬似的にレイヤを分けたような運用もしやすくなります。 - Visio
物理構成と論理構成をきっちり描き分けたいときに向いています。ステンシルでアイコンをそろえやすく、接続線のルールも崩れにくいです。 - diagrams.net(draw.io)
ブラウザですぐ触れて、共同編集もしやすいツールです。DriveやGitと組み合わせておくと、更新履歴を追いやすくなります。
カスタマイズ前に決めるルール
- 凡例と記号
機器、仮想環境、回線、論理境界、冗長経路、セキュリティ境界などは、最初に凡例でそろえておくと後で迷いません。図を見る人が毎回解釈に悩まない状態を先に作っておくイメージです。 - 命名規則
拠点-フロア-役割-通番のように、名前の付け方を決めておくと管理しやすいです。たとえば「TKY-03-SW-02」のように並びを固定すると、あとで見返したときも混乱しにくくなります。 - 色分け
L2は中間色、L3は濃い色、WANは破線、管理系は点線、というように最初にルールを決めておくと図面全体が落ち着きます。途中で色の意味が変わると、一気に読みにくくなります。 - 版管理
ファイル名はYYYYMMDD-Revの形でそろえておくと追いやすいです。変更履歴と、図面上でどこを直したかが分かるハイライトは、分けて管理しておくほうが後から助かります。
ダウンロード|簡易ネットワーク構成図(PPTサンプル)
PowerPointの図形だけで作った、小規模オフィス向けのネットワーク構成図サンプルです。
完成済みの設計図というより、アイコンの見え方や配置の雰囲気を確認するための見本に近い内容です。提案資料のたたき台や、社内説明用の下書きとして使いやすいと思います。
作例|PPT図形のみで作る簡易構成図
- 背景のまとまりをレイヤのように分けておくと、図を開いた瞬間に全体が追いやすくなります。
- 回線は矢印と線種を組み合わせて意味を持たせると、説明なしでも伝わりやすいです。たとえば破線はインターネット、点線は管理系、という具合です。
- 凡例は右下にまとめて置いておくと、初見の人でも読みやすくなります。逆に凡例が散っていると、図の中を行ったり来たりすることになります。
実務で差が出るベストプラクティス
物理と論理を分ける
物理図と論理図は分けて考える
- 実機や配線、ラックの位置を書く物理図と、VLAN・VRF・ACLのような論理構成を書く図は、できれば分けたほうが見やすいです。一枚に詰め込み始めると、途中から誰のための図なのか分からなくなりがちです。
- 同じファイルで管理する場合でも、ページやレイヤを分けて整理しておくと扱いやすくなります。凡例もページごとに合わせておくと、読み手が迷いにくいです。
セキュリティ境界を明示
- 社内・DMZ・クラウド・SaaSの境界線と方向性(入口/出口)を矢印で表現
- ゼロトラスト/SSO/MDM/SASEなどの要素はアイコン+注釈で簡潔に
よくある構成の例
- 小規模オフィス
L3スイッチとアクセスポイントを中心にまとめ、外向き通信はUTM側に寄せる形がよく使われます。VLANは業務用、ゲスト用、管理用の3つに分けると整理しやすいです。 - 拠点間VPN
本社と各拠点をIPsecやSD-WANでつなぐ構成です。回線が一本だけなのか、二重化しているのかは図の段階で見えるようにしておくと、あとで説明が楽です。 - クラウド接続(AWS)
オンプレ側からL3、ファイアウォール、Direct Connectまたはサイト間VPNを経由してVPCへ接続する流れです。PublicとPrivateの分け方も、図に出しておくと伝わりやすくなります。 - ゼロトラスト移行
社外端末からIdPを通ってSaaSや社内アプリへ到達する経路を描く形です。端末状態やアクセス制御の条件は、アイコンだけで済ませず短い注釈を添えたほうが親切です。
ネットワーク構成図のアイコン集(厳選)
さくらインターネット
https://knowledge.sakura.ad.jp/4724/
- CC BY 4.0で使いやすい、提案や簡易図に最適
さくらインターネットでは、ダークブルー基調のフラットなアイコンセットが公開されています。細かい機器構成をぎっしり描く図には少し物足りなさがありますが、プレゼン資料や簡易な構成図にはかなり使いやすい印象です。
色味や雰囲気がそろっているので、数個並べただけでも見た目が散らかりにくいです。ライセンスはCC BY 4.0で、比較的扱いやすい部類です。とはいえ、配布元の記載は作成前に一度見ておいたほうが安心です。

cisco
https://www.cisco.com/c/en/us/about/brand-center/network-topology-icons.html
- JPG/EPSで配布、機器~汎用端末まで種類が豊富
Ciscoでは、ネットワーク機器や概念図に使いやすいアイコンセットが配布されています。機器の種類がかなり多く、いわゆるネットワーク機器だけでなく、PCやプリンタのような周辺要素までそろえやすいです。
JPGやEPS形式で使えるので、VisioやPowerPointに持っていきやすいのも助かります。構成図を少し本格的に見せたいときは、まず候補に入れておいてよいと思います。

YAMAHA
https://network.yamaha.com/support/download/tool/
YAMAHAでは、ルータ製品を中心にした機器画像やイラスト素材が公開されています。いわゆるフラットなアイコンというより、実機の見た目に近い画像が多めです。そのため、ざっくりした概念図よりも、現場の機器に寄せた説明資料のほうが相性はよさそうです。
ネットワーク機器以外に、コンビニや病院の建物、家電、POSレジ、電子ピアノなど少し珍しい素材も含まれています。このあたりは、店舗や施設系の図を作るときに思ったより助かります。

amazon AWS
https://aws.amazon.com/jp/architecture/icons/
AWSのアーキテクチャアイコンをプレゼン用に配布しています。基本的にAWSのアーキテクチャダイアグラムを説明するためのアイコンなのでAWSのアイコンは充実している反面、一般的なネットワーク系アイコンはあまり多くありません。使用する場合はダウンロード後のファイル内にガイドラインが細かく設定されているのでそれに従って使ってください。

VMware
https://communities.vmware.com/thread/400678
VMwareが配布しているネットワークアイコン集、デザイン性がよく一般的なネットワーク機器も多数あって使いやすいのですが、著作権表示をしなければならないなど規約が結構面倒なので使用する際には条件をよく確認してください。

IDCF
https://www.idcf.jp/officialicons.html
IDCフロンティアの公式アイコン集です。グレイ、ブルー、ネイビーの3色のネットワーク系フラットアイコンを利用できます。アイコンの種類は多くありませんが、一般的なネットワークに必要なものは揃っているので簡易的なネットワーク図の作成やプレゼンを作成する場合にはいいでしょう。

フリーアイコン配布サイト
icon rainbow
ネットワーク系のアイコンがひと通りそろっていて、簡易な構成図を作るときに使いやすいサイトです。サイト全体のデザインテイストがある程度そろっているので、アイコンをいくつか並べても見た目がばらつきにくいです。
ダウンロード時にPNG、JPG、SVGを選べて、サイズや単色カラーも調整できます。急いで図を整えたいときは、この手の「そろいやすさ」が地味に効いてきます。
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cman
コンピュータやスマートフォン、ネットワーク系のアイコンが多数あります。ダウンロードは簡単でPNG,GIF,JPG,SVGといった形式を選択するだけでダウンロードできます。ダウンロード時にカラーや背景色、背景の形も変更できるので便利です。さらに、編集ページに飛ぶことでサイズ変更やぼかし、影をつけることもできます。

silhouette illust
https://www.silhouette-illust.com/
ネットワーク図をつくるために必要なアイコンが多数そろっています。ダウンロード時にオプションはなくワンクリックでできるので簡単ですが、ZIPでPNG,JPG,AIがダウンロードされるので解凍が面倒です。アイコンのデザインは統一されているので、プレゼンの作成時にはそのまま使えて便利です。

icon8
カラフルなアイコンも含め、さまざまなイメージのネットワーク系のアイコンがダウンロードできます。ただし、無料でダウンロードできるアイコンは64pxや96pxといった小さ目のサイズで、フォーマットはPNG形式のみです。その他のサイズやSVGを利用したい場合には有料になります。
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凡例テンプレ(コピペ可)
- 線種:実線=有線/L2、太実線=L3、破線=インターネット、点線=管理系
- 色:青=L2、紺=L3、紫=クラウド、緑=管理、赤=重要経路
- 記号:★=冗長経路、鍵=暗号化、盾=セキュリティ境界
よくある失敗と回避策
- 凡例がなく、線や記号の意味が伝わらない → 右下に固定の凡例ブロックを置いて、毎回同じ位置で読めるようにします。
- 色や線種のルールが図面ごとに変わる → テンプレート側でスタイルをそろえ、作業中に自己流で増やしすぎないようにします。
- 図面とIPアドレス台帳の内容がずれる → 修正するときは図面と台帳を同じタイミングで直し、Rev表記もそろえておきます。
関連リンク
FAQ|ネットワーク構成図テンプレート
- 主担当では、中小〜中規模企業のリプレイス案件に継続して関わり、構成図の運用ルールづくりも3年以上行ってきました。
- L2/L3の冗長化、アドレス設計、ゼロトラスト移行時の図面反映、Excel台帳とのひも付けなどを日常的に扱っています。