休職届(休職願)は、会社で長期の休みを取りたい場合に使用されます。一方で会社としては、従業員に長期で休まれると労働力がダウンするため、休職する場合は上司にその理由を説明し納得してもらうことが重要です。

【実務経験コメント】
本ページは社内文書の設計・運用に携わる編集チームの知見をもとに、休職届(休職願)の無料テンプレートと失敗しない書き方を整理しました。就業規則や労務ルールは企業ごとに異なるため、最終判断は自社の規程・担当部門(人事/総務)に確認してください。

休職届テンプレート(無料ダウンロード)

基本レイアウト(最短で提出したい方向け)

「休職期間」「理由」「添付書類」「備考」を最小構成で収録。まず提出したいときの標準型です。

 

承認欄つき(回覧・押印フローがある組織向け)

「休職中の連絡先」「添付書類」+上長承認欄×2を配置。社内稟議・紙回覧がある企業向け。
表組を使ったシンプルなレイアウトの休職届です。設定されている項目は「休職期間」「理由」「休職中の連絡先」「添付書類」「備考」になっています。最下部には、上長の承認欄が2つ設けてあります。

分割表記レイアウト(記入欄を分けて見やすく)

「申請日/承認日」「所属/氏名」「休職期間」「理由」「連絡先」「備考/添付」を分割表で整理。記入ミス削減に。

休職届の書き方(基本構成と記入例)

休職届を提出する場合は、以下のような項目が最低限必要になります。

必須項目

  • 提出先(所属・役職・氏名)/申請者(所属・氏名・押印)
  • 休職期間(開始日~終了日/予定)
  • 休職理由(概要+根拠)
  • 休職中の連絡先(メール/電話/緊急連絡先)
  • 添付書類(診断書など)/備考

理由の書き方(例文:病気・メンタル・介護・留学・その他)

スムーズに休職するためにも、休職の理由は、上司もしくは会社が納得できるものを書きましょう。

理由の例

・病気療養:
「医師の診断により〇月〇日から〇か月の療養加療が必要と判断されました。診断書を添付します。」
・メンタルヘルス:
「業務遂行に支障のある状態と診断され、治療と休養の指示を受けています。復職目途は主治医の指示に従います。」
・家族介護:
「要介護認定(要支援/要介護〇)を受けた家族の通院付き添い・在宅介護のため、〇月〇日~〇月〇日まで休職を希望します。」
・留学/自己研鑽:
「〇大学から入学許可を受領し、渡航準備と就学のため〇年〇月~〇年〇月まで休職を申請します。」
・その他(公職等):
「公職就任に伴い、就業規則○条○項に基づき休職を申請します。」

添付書類の準備

休職の理由の証明として添付書類を用意します。

  • 診断書(病名・就労可否・期間の記載)
  • 介護関係:要介護認定結果通知、ケアプラン等
  • 留学関係:入学許可証、在学証明、期間が分かる書類
  • その他:客観的に理由を裏づける資料

申請から承認までのフロー

  1. 上長へ事前相談(口頭/面談で趣旨共有)

    最初に「なぜ・いつから・どのくらい」を共有し、社内の正式手続きに入る前提条件を確認します。
    • 伝える内容:希望開始日/想定期間、業務引継ぎの見通し、連絡可能な手段
    • 準備物:診断書の取得予定や入学許可書など根拠資料の見込み
    • 記録:面談日時・合意事項をメモ化(差戻し防止・後日の確認用)
  2. 就業規則・社内規程の確認(休職要件・期間・賃金/社会保険の扱い)

    会社ごとに要件が異なるため、適用条件と運用ルールを人事/総務で必ず確認します。
    • 確認項目:休職の要件・最大期間・延長可否・復職判定の方法(主治医意見書・産業医面談等)
    • 賃金/保険:給与支給の有無、社会保険料の扱い・納付方法、傷病手当金の申請窓口
    • 留意点:副業/アルバイトの可否、連絡頻度や報告ルール
  3. 休職届の作成(テンプレート使用・添付書類の準備)

    テンプレートに沿って簡潔・正確に記入し、根拠資料を添付します。
    • 必須記載:提出先、申請者、休職期間(開始/終了)、理由(概要+根拠)、連絡先、添付、備考
    • 理由の書き方:診断書など客観的根拠を前提に、機微情報は必要最小限で簡潔に
    • 添付例:診断書/要介護認定通知/入学許可証 など(有効期限・原本/写しの指定を確認)
    • 提出形式:紙/電子(社内稟議システム)・押印/承認欄の有無を確認
  4. 上長→人事/総務へ提出・承認

    社内フローに従い回覧・承認。差戻しがあれば修正のうえ再提出します。
    • 回覧順:所属長 → 部門長 → 人事/総務(会社規程に依存)
    • 差戻し理由の典型:期間表記の誤り、添付不足、提出先/承認欄の欠落
    • 控えの保管:提出版PDFや受付番号を保存(後続手続きで参照)
  5. 社会保険等の手続き(必要に応じて傷病手当金等)

    承認後、会社指示に従い必要な公的手続きを進めます。
    • 主な対応:健康保険の傷病手当金申請、保険料の納付方法変更の確認
    • 関連実務:住民税の納付方法、年末調整/源泉徴収票の扱い等(会社の案内に従う)
    • 提出期限:申請書類は期限があるため、人事/総務のスケジュールに合わせる
  6. 休職中の連絡体制・復職判断のプロセス合意

    休職開始前に「連絡方法・頻度」と「復職時の手順」を合意しておくと円滑です。
    • 連絡体制:月次/必要時の連絡、緊急連絡先、連絡不可時の代替手段
    • 復職判断:主治医意見書 → 産業医面談 → 会社所定の復職判定(段階的復帰・時短の可否も確認)
    • 延長手続き:期間変更の見込みが出た段階で早めに相談・再申請

休職届の例文サンプル

休職届は、会社に規定の用紙があればそれを使用します。なければ、このページで無料ダウンロードできるテンプレートを利用してください。

休職届の記入例サンプル|提出先・休職期間・理由・連絡先・添付の記載例
【提出先】管理本部 人事部 部長 ○○ 様
【申請者】営業部 第1課 氏名:山田 太郎 印
【休職期間】2025年9月1日~2026年2月28日(予定)
【休職理由】主治医の診断により、うつ病の治療と休養が必要と判断されたため。診断書を添付いたします。
【休職中の連絡先】メール:taro@example.co.jp / TEL:090-xxxx-xxxx
【添付書類】診断書(2025年8月20日発行)
【備考】復職可否は主治医の意見書に従い、会社所定の復職判定を受けます。

提出前チェックリスト

  • 就業規則の要件・期間・延長条件を確認した
  • 診断書など根拠書類を添付した(有効期限も確認)
  • 期間表記(開始/終了)とカレンダー実日数の齟齬がない
  • 休職中の連絡先・緊急連絡先を明記した
  • 承認フロー(上長→人事/総務)が自社運用に合致

よくある質問(FAQ)

休職中の給与や社会保険料はどうなりますか?
自社規程によります。無給となるケースが多く、社会保険料は原則として本人負担が継続することがあります。詳細は人事/総務に確認してください。
有給休暇は先に使うべきですか?
多くの企業で「有給を消化→休職」にする運用が一般的です。時季変更・計画付与などの扱いは規程で確認を。
メンタル不調の場合のポイントは?
診断書に就労可否と療養期間の目安が明記されていると手続きがスムーズです。復職時は主治医意見書や産業医面談が求められることがあります。
期間の延長は可能ですか?
規程の範囲で延長可否が定められています。延長時は最新の診断書/根拠資料の提出が必要になるのが一般的です。
休職中にアルバイトや副業はできますか?
多くの企業が禁止または事前承認制です。療養目的と矛盾しないかも含め、必ず事前に確認を。
復職時に必要な書類は?
自社指定の復職届、主治医の就労可否意見書、産業医面談記録などが求められる場合があります。

まとめ

この記事では、休職届の書き方や例文、無料ダウンロードできるエクセルやワードの休職届テンプレートを紹介しました。

休職届のフォーマットが、会社にある場合はそれを使用し、会社で決められた書き方で提出します。会社に既定のフォーマットがない場合は、テンプレートを使って必要な事項を埋めてください。

通常、休職届には、長期に休職するための正当な理由が必要なので、上司や会社と無用な軋轢が起こらないように気を付けましょう。