ヒストグラムは、データの分布状況を視覚的に把握するための代表的なグラフです。品質管理や統計分析の現場でもよく利用されており、データの傾向を一目で理解できるというメリットがあります。
私自身、業務で売上データやアンケート結果を整理するときにヒストグラムを活用していますが、全体像の把握が非常に効率的になります。特にエクセルでは関数とグラフ機能を組み合わせるだけで簡単に作成できるため、初心者の方でもすぐに実務に活用できます。
ヒストグラムとは
ヒストグラムとは、横軸に階級(データを区切った範囲)、縦軸に度数(該当するデータの数)をとり、棒グラフのように表現するグラフです。
代表的な利用例は以下のとおりです。
- 従業員の年齢や年収の分布を把握する
- 商品の売上本数を区間ごとに整理する
- アンケート結果を集計し、偏りを確認する
エクセルでヒストグラムを作成する手順
ヒストグラムは、エクセルのグラフ機能を使用すると簡単に作ることができます。
1. データを用意する
まず分析対象となるデータを入力します。例として、従業員の年収データを利用します。
2. 度数分布表を作成する
ヒストグラムの基礎となる「階級(区間)」と「度数(データ数)」を作成します。エクセルのCOUNTIFS関数を使えば自動で人数をカウントできます。
今回は、以下のように 範囲 > 階級値(最低値), 範囲 < 階級値(最大値) とすることで階級内の数を算出します。 サンプルでは、関数をこのように入力しています。 =COUNTIFS($A$2:$A$19,"> "&C3, $A$2:$A$19,"< "&C4)

3. グラフを挿入する
度数分布表ができたら、そのデータを選択し、エクセルの「挿入」タブから集合縦棒を選びます。これでヒストグラムが作成されます。
4. 見やすく整える
軸のラベルや棒の間隔を調整すると、データの傾向がより明確になります。
ヒストグラムからわかること
ヒストグラムを使うと、データの分布状況や傾向を一目で把握できます。
単なる数値の一覧では平均値やばらつきが見えにくいですが、ヒストグラムにまとめることで「どの区間にデータが集中しているのか」「度数分布の形はどうなっているのか」を直感的に理解できます。
特にエクセルで作成するヒストグラムは、度数分布表と組み合わせて分析することで、データの特徴を統計的に整理できる便利な方法です。
ヒストグラムの具体例
例として、サラリーマンの年収データを見てみましょう。
420万 | 411万 | 321万 |
420万 | 315万 | 367万 |
467万 | 550万 | 510万 |
370万 | 500万 | 282万 |
382万 | 280万 | 480万 |
440万 | 432万 | 475万 |
この表だけを見ても「年収がどの層に多いのか」「どの範囲に偏りがあるのか」を把握するのは難しいですよね。しかしヒストグラムにすると、分布の特徴がはっきり見えてきます。
グラフを見ると、400~450万円の区間に最も多くの人が集中しており、その前後の区間では人数が徐々に少なくなっていることがわかります。これは単なる表では読み取りにくい情報です。
このように、ヒストグラムをエクセルで作成することで、数値データを度数分布として整理し、平均や中央値、分布の形(正規分布・偏り・ばらつき)を簡単に確認できます。統計分析や品質管理、売上データや顧客年齢層の把握など、幅広い業務で活用できるのが大きなメリットです。
ヒストグラムのテンプレート
ここまで作成したヒストグラムのエクセルテンプレートを以下より無料ダウンロード可能です。サンプルのデータが入力されているので、自分が分析したいデータに置き換えて使用してください。
ヒストグラムのメリットとデメリット
メリット
- データの分布を直感的に把握できる
- 偏りやばらつきが一目でわかる
- 品質管理や統計分析に役立つ
デメリット
- 個別のデータは見えにくい
- 階級の区切り方によって結果が変わる
よくある質問(FAQ)
まとめ
ヒストグラムを作ることで、バラバラに集まったデータを範囲で分類することができるため、個々のデータを見るには不向きですが、全体のデータの傾向を把握するためには重宝します。
ヒストグラムは、データがあればエクセルで簡単に作成することができるので、テンプレートを参考にぜひヒストグラムを活用してください。