特性要因図(フィッシュボーン図)は、品質管理(QC手法)や問題解決の現場で広く用いられている分析ツールです。

筆者は過去に生産現場で工程改善を担当し、不良率削減のために特性要因図を活用してきました。経験から言えるのは、この図を用いることで「思いつき」ではなく「構造的な原因追及」が可能になり、チーム全体の共通認識形成にも大きな効果があるということです。

このページでは、初心者でもすぐに使える特性要因図の無料テンプレート(エクセル版・パワーポイント版)を紹介し、作成手順や使い方、注意点まで解説します。

特性要因図テンプレート【無料ダウンロード】

特性要因図をすぐに作成できるエクセル版・パワーポイント版のテンプレートを配布しています。背骨・大骨・小骨・孫骨が配置されているため、すぐに書き込みを始められます。

エクセル版 特性要因図テンプレート

大骨・中骨・小骨が図形で作成されており、自由に編集可能です。

 

特性要因図テンプレート(Excel)背骨・大骨・小骨・孫骨つきのフィッシュボーン図サンプル

パワーポイント版 特性要因図テンプレート

プレゼン資料や会議での共有に便利。濃青デザインで統一しています。

 

特性要因図テンプレート(PowerPoint)会議共有向けフィッシュボーン図の無料サンプル

特性要因図(フィッシュボーン図)の基本

特性要因図の目的

問題の原因を網羅的に整理し、チームで共有しやすい形にすることが目的です。 売上低下や不良発生などネガティブな課題だけでなく、業務改善や新規企画検討でも活用できます。

特性要因図の構成要素

  • 特性
    調査対象となる結果や問題
  • 背骨
    特性から伸びる中心線
  • 大骨
    主要な原因カテゴリ(例:人・方法・機械・材料などの4M)
  • 小骨
    大骨をさらに分解した要因
  • 孫骨
    小骨をさらに細分化した具体的要因

特性要因図の書き方と活用の流れ

1. 特性(課題)を明確化する

最初に「解決したい問題」を設定します。

2. 大骨を設定する

4M(人・方法・機械・材料)や5M1Eを参考にカテゴリを決めます。

3. 小骨・孫骨を追加する

ブレインストーミングで要因を掘り下げ、視覚的に整理します。

4. 要因を検証する

抽出した要因を実際のデータや事例と照合し、真因を特定します。

特性要因図のメリット・注意点

メリット

  • 原因を体系的に整理できる
  • 会議での共通理解を形成しやすい
  • 視覚的で直感的にわかりやすい

注意点

  • 要因の列挙だけで終わらないようにする
  • 事実確認を怠ると「思い込み」になる
  • 他のQC手法(パレート図・ヒストグラムなど)と併用すると効果的

よくある質問(FAQ)

特性要因図とフィッシュボーン図は同じものですか?
はい、同じものを指します。正式名称は特性要因図で、魚の骨の形に似ていることからフィッシュボーン図とも呼ばれています。
特性要因図テンプレートはどんな場面で使えますか?
品質管理、不良原因の特定、業務改善、売上低下の要因整理など幅広いビジネスシーンで活用できます。会議やブレインストーミングにも便利です。
Excel版とPowerPoint版の違いは何ですか?
Excel版は細かい編集や数値管理に適しています。PowerPoint版は会議資料やプレゼン資料に使いやすく、視覚的に共有するのに向いています。
特性要因図を作成する際の注意点はありますか?
原因をただ列挙するだけで終わらず、データや事実で検証することが重要です。また、多数の意見を集めて偏りをなくすことがポイントです。
他のQC手法と組み合わせた方が良いですか?
はい。パレート図やヒストグラムと併用することで、要因の優先順位付けや裏付けができ、より効果的な改善策を導けます。

まとめ

特性要因図は、QC手法の中でも簡単につくれ効果も高いため比較的多く作成される図です。

問題に対する課題を整理し、網羅できるため偏った考え方や先入観を排除することができます。また、多くの人に共有することで職場でのナレッジとして共有することもできます。

今回は、特性要因図の骨子をエクセル版とパワーポイント版のテンプレートで紹介しました。テンプレートを使うことで、面倒な初期設定なく、すぐに特性要因図を作成し始めることができるので、ぜひ活用してください。