合意書は、契約を終えるとき、退職条件を整理するとき、金銭の支払いを確認するときなど、思ったよりいろいろな場面で使われます。

このページでは、実務でそのまま下書きにしやすい無料テンプレート(Word)を用意しました。あわせて、書くときに迷いやすい項目や、あとで話が食い違いやすい部分も整理しています。急いで作ると、金額や日付だけ入れて安心してしまうことがあるので、そのあたりも含めて見直しやすい形にしました。

合意書テンプレート一覧(無料ダウンロード)

用途に合わせて選びやすいよう、合意書テンプレートをいくつか用意しました。すべてWord(.docx)で編集できます。まずは近いものを開いて、当事者名や金額、日付を自社の事情に合わせて直す使い方がやりやすいです。

一般的な合意書

例文を入れていない、ベーシックな合意書テンプレートです。必要になりやすい項目だけ先に並べてあるので、案件ごとの内容に合わせて埋めていけます。まずはこの型から始めると、全体の形を崩しにくいです。

解約合意書

業務委託契約や取引基本契約を終えるときに使う解約合意書です。未払金をどうするか、いつまでに何を引き継ぐか、そのあたりを先に書面でそろえておくと、あとで話が戻りにくくなります。

金銭を伴う合意書

解決金の支払いがある場合は、金額、支払日、振込方法、そして今後の請求をどう扱うかまで、できるだけ細かく書いておくほうが安心です。このあたりが曖昧なままだと、数か月後にまた確認の連絡が入ることがあります。

退職合意書

退職時に、会社と本人の認識をそろえるための合意書です。退職日だけでなく、未払い給与や有休の扱い、貸与物の返却、守秘義務の確認まで並べておくと、退職前の慌ただしい時期でも抜けが出にくくなります。

合意書とは?契約書・覚書・示談書との違い

合意書は、当事者どうしで決めた内容を文書に残すための書面です。契約を終える場面、退職条件を確認する場面、金銭の支払いを整理する場面などで使われます。

契約書や覚書、示談書と近い位置づけで見られることもありますが、呼び方だけで中身が決まるわけではありません。表題と本文の内容がずれていると、読む側に誤解を与えやすいので、タイトルよりも中に何を書くかを丁寧にそろえるのが先です。

合意書のフォーマット(ひな形サンプル)

以下の必須情報を満たせば法定書式の定めはありません。

  • 合意内容(例:契約解除条件、金額・期日、退職条件等)
  • 作成年月日
  • 当事者の住所・氏名・署名押印(双方)

 

合意書

 
〇〇〇〇(以下「甲」とする)と××××(以下「乙」とする)は、△△△△の件について以下の通り合意した。

以上

 
令和〇年〇月〇日

 

(甲)         
住所          
氏名         

 

(乙)          
住所          
氏名          

合意書の効力と法的拘束力

合意書は、内容や作成のしかたによっては、契約書と同じように取り扱われることがあります。実際、あとで争いになったときには、合意の内容を示す資料として見られる場面もあります。

ただ、書面があるだけですぐに差し押さえや強制執行まで進めるわけではありません。そこは別の手続きが関わってくるので、効力の話と執行の話は分けて考えたほうがわかりやすいです。

合意書の書き方と実務上の注意点

合意書には決まった書式があるわけではありません。とはいえ、あとで「そんな話だったか」で食い違わないように、押さえておきたい書き方はあります。見た目より、中身の詰め方で差が出やすい書類です。

  • 双方が署名押印した原本を、それぞれ1通ずつ持つ
    内容が同じ原本を2通作り、甲乙それぞれで保管します。どちらか一方しか持っていない形だと、あとで確認するときにやや弱いです。紙でやり取りするなら、境目に割印(契印)を入れておくと、見た目にも落ち着きます。
  • 曖昧な言い方は減らし、金額や日付ははっきり書く
    「できる限り」「速やかに」といった言葉は、その場では便利でも、読む人によって受け取り方がずれます。金額は数字で、支払日は年月日まで、誰がどこまで対応するのかも文の中で見えるようにしておくと安心です。
  • 清算条項は、できれば入れておく
    「この合意書に書いた内容以外については、互いに追加で請求しない」といった一文があると、話をここで区切りやすくなります。金銭の支払いが絡む案件では、とくに入れておいたほうが落ち着きます。内容によっては、秘密保持や管轄裁判所の記載もあわせて見ておくと流れが整います。
  • 印紙税の対象に注意
    合意書の内容が契約書の範疇に入る場合、印紙税が課税される可能性があります。例えば金銭の支払や請負契約の解除を伴う場合などです。印紙を貼付しないと税務署から指摘を受ける可能性があるため、内容に応じて確認してください。
  • 将来的な証拠力を意識
    裁判で提出する可能性を考慮し、作成年月日・署名捺印・合意事項の具体的記載を欠かさないようにします。場合によっては公証役場で公正証書化することで、強制執行力を持たせることもできます。

活用シーンと条項例

合意書は、ひとつの型で全部まかなえる書類ではありません。契約を終えるのか、退職条件を確認するのか、金銭の支払いを整理するのかで、入れておきたい条文は少しずつ変わります。ここでは、よくある場面ごとに、入れやすい内容をまとめました。

  • 契約解除・合意解約
    契約を終えるときに使う場面です。いつ終了するのかをまずはっきりさせ、そのうえで未払い代金の扱い、保証をどうするか、貸与物や書類をどう返すかまで並べておくと、終わったはずの話が後から戻りにくくなります。
  • サンプル条文:
    甲および乙は、令和〇年〇月〇日をもって本契約を合意解除し、甲は乙に対し未払金〇円を同日までに支払うものとする。
  • 退職合意
    退職時は、最後の出社日が近づくほど話が駆け足になりやすいです。退職日、未払い賃金、有休の扱い、貸与物の返却、退職後の守秘義務などを先に書面にまとめておくと、双方とも確認しやすくなります。

    サンプル条文:
    乙は令和〇年〇月〇日をもって退職し、甲は乙に対して未払給与および退職金を同日までに支払う。乙は退職後、甲の営業秘密を第三者に漏らしてはならない。
  • 金銭支払い
    トラブルの解決金や債務整理の合意に活用。金額・支払期日を具体的に記載し、遅延損害金や「今後請求しない」旨の清算条項を入れておくと安心です。

    サンプル条文:
    甲は乙に対し、解決金として金〇〇円を令和〇年〇月〇日までに指定口座へ振込むものとし、本件に関し甲乙間にその他一切の請求権がないことを確認する。
  • 示談・トラブル解決
    事故や紛争の終結に用います。損害の範囲、支払う謝金、広報対応の方法、再発防止の取り組みなどを記載すると、後日の争いを防ぐことができます。

    サンプル条文:
    乙は甲に対し、本件事故に関する損害賠償として金〇〇円を支払う。甲乙は、本件に関し今後いかなる請求もしないことを相互に確認する。

よくある質問(FAQ)

Q. 合意書は契約書とどう違うのですか?
A. どちらも、当事者どうしで決めた内容を書面に残すものです。実務では、合意書のほうがやや簡潔にまとめられることがありますが、名前だけで効力が決まるわけではありません。表題よりも、本文に何がどう書かれているかを見るのが先です。
Q. 合意書は自分で作っても有効ですか?
A. 自分で作成すること自体はできます。実際、ひな形をもとに社内で整えるケースも少なくありません。ただ、金額が大きいものや、あとで争いになりそうな案件は、出す前に専門家へ見てもらったほうが落ち着きます。
Q. 合意書には印紙を貼らないといけませんか?
A. いつでも貼る、というわけではありません。書いてある内容によっては印紙税の対象になることがあるので、金銭の支払いや契約解除が絡む場合は、一度確認してから出したほうが安心です。
Q. 合意書を公正証書にした方がいいケースは?
A. 高額の金銭支払い、養育費、離婚協議、事業承継など、将来の紛争リスクが大きい場合は公正証書化すると、強制執行力を持たせることができます。
Q. 合意書は何通作成すればよいですか?
A. 通常は当事者双方がそれぞれ原本を1通ずつ所持します。改ざん防止のため割印(契印)をしておくとさらに安全です。
Q. 英文で合意書を作成しても有効ですか?
A. 有効です。ただし国内の裁判で証拠として提出する場合、日本語訳を添付するのが一般的です。国際取引では準拠法や裁判管轄を必ず明記してください。