この記事では、Excelで使える賃金台帳テンプレートを無料でダウンロードできます。一般的な月給用のほか、日給・時給、パート・アルバイト、飲食店、工場、医療・介護施設向けのフォーマットを用意しています。

賃金台帳は、給与を支払ったあとに会社側で残しておく帳簿です。給与明細のように従業員へ渡す書類とは少し役割が違います。月末の給与計算が終わったあと、「支給額・控除額・労働時間をあとで確認できる形に残す」ためのもの、と考えると分かりやすいです。

このページで分かること

  • 無料で使える賃金台帳テンプレートの種類
  • Excel自動計算版、PDF記入例、業種別テンプレートの違い
  • 様式第20号とテンプレートの違い
  • 賃金台帳に書く項目と記入例
  • 給与明細との違い、保存期間、作成時に迷いやすいところ

賃金台帳テンプレートの選び方

どれを使えばいいか迷ったら、まずは雇用形態と使う場面で選ぶと早いです。月給者が中心なら一般用、時給スタッフが多い職場なら日給・時間給用、飲食店や介護施設のように手当が独特な職場なら業種別のテンプレートが使いやすいです。

使いたい場面 おすすめテンプレート 向いている人・職場
毎月の給与をExcelで管理したい 一般的な賃金台帳 月給制の社員が中心の会社、少人数の事務所
日給・時給の人を管理したい 日給・時間給用 パート、アルバイト、現場スタッフがいる職場
アルバイト中心で使いたい パート・アルバイト用 飲食店、小売店、シフト勤務の職場
まかない控除や深夜手当を管理したい 飲食店向け ホール・キッチン・深夜勤務がある店舗
残業・休日・深夜を分けたい 工場作業員向け 製造ライン、検査、出荷、期間工がいる職場
夜勤回数や資格手当を記録したい 医療・介護施設向け 介護職、看護師、非常勤、夜勤専従がいる施設
紙で確認・保管したい PDF記入例 初めて作る担当者、入力前に完成形を見たい人
使う前に確認しておきたいこと

  • 月給、日給、時給のどれが中心か
  • 時間外・休日・深夜の労働時間を分けて管理しているか
  • 手当や控除の名称が、給与明細や社内規程と合っているか
  • 年度ごとにファイルを分けて保存する運用にできるか

賃金台帳テンプレート(Excel自動計算・無料)

以下では、1か月単位で入力し、1年分を管理できるExcel賃金台帳テンプレートを無料でダウンロードできます。小計、控除、差引支給額などを自動計算できるので、月末の給与処理後に台帳へ転記する作業を減らせます。

一般的な賃金台帳(自動計算)

月給制の社員を管理しやすい、基本形の賃金台帳テンプレートです。基本給、各種手当、控除額、差引支給額を入力・確認しやすい構成にしています。

給与計算ソフトから数字を見ながら入力する場合も、項目が横に並んでいるので確認しやすいです。年度が変わったら、ファイルをコピーして年度名を変えておくと、前年分をうっかり上書きしにくくなります。

日給・時間給用(自動計算)

日給や時間給の契約になっている社員・スタッフ向けの賃金台帳テンプレートです。勤務日数、勤務時間、残業時間などを入力し、支給額や控除額を整理できます。

時給者は、月の途中で時給が変わったり、通常勤務と深夜勤務が混ざったりすることがあります。そのまままとめて入力すると後で根拠を追いにくいので、区分ごとに分けて残しておくと確認が楽です。

パート・アルバイト用(自動計算)

パート・アルバイト向けの賃金台帳テンプレートです。労働日数や労働時間の記録に加え、残業代や手当の計算にも対応しています。

飲食店や小売店では、月末にシフト表、タイムカード、給与明細を見比べながら入力することが多いです。控除の内容は人によって違うので、社会保険、雇用保険、所得税、まかない控除など、職場に合わせて項目名を調整してください。

業種別の賃金台帳テンプレート(自動計算・無料)

業種によって、賃金台帳で見たい項目は少し違います。飲食店なら深夜手当やまかない控除、工場なら残業・休日・深夜の区分、介護施設なら夜勤回数や資格手当を見たい場面が多いです。

ここでは、現場で使う項目をあらかじめ入れた業種別テンプレートを用意しています。

飲食店向け賃金台帳テンプレート(まかない控除・深夜手当)

飲食店向け(ホール・キッチン・アルバイト対応)
更新日:2025-10-13 対応:Excel 2013以降
主な項目

  • 氏名/区分(社員・アルバイト)/職種(ホール・キッチン 等)
  • 勤務日数/総勤務時間/深夜勤務時間/残業時間
  • 時給/基本給/深夜手当/残業手当/交通費
  • まかない控除/その他手当/総支給額/控除合計/差引支給額
  • 備考(時給変更・シフト特記事項)

飲食店向けで見ておきたいところ

  • 22時以降の深夜勤務を通常勤務と分けて入力する
  • まかない控除、日払い、交通費の扱いを店舗ルールに合わせる
  • ホールとキッチンで時給が違う場合は、備考に変更日を残す

工場作業員向け賃金台帳テンプレート(残業・休日・深夜・能率給)

工場・製造ライン向け(派遣・期間工対応)
更新日:2025-10-13 対応:Excel 2013以降
主な項目

  • 氏名/社員番号/所属ライン(組立・検査・出荷 等)
  • 稼働日数/実働時間/残業時間/休日出勤時間/深夜時間
  • 基本給/残業手当/休日手当/深夜手当/通勤手当
  • 能率給/生産手当/安全手当/総支給額/控除合計/差引支給額
  • 備考(欠勤・遅刻・早退)

工場・製造ライン向けで見ておきたいところ

  • 残業、休日、深夜を同じ列にまとめない
  • 能率給や生産手当は、支給条件が分かる名前にしておく
  • 所属ラインや社員番号を入れると、あとで確認するときに探しやすい

医療・介護施設向け賃金台帳テンプレート(夜勤回数・資格手当・処遇改善)

医療・介護向け(常勤・非常勤・夜勤専従対応)
更新日:2025-10-13 対応:Excel 2013以降
主な項目

  • 氏名/職種(看護師・介護職・医療事務 等)/雇用形態
  • 所属部署/勤務日数/総勤務時間/夜勤回数/休日出勤回数
  • 基本給/夜勤手当/資格手当/処遇改善手当/通勤手当
  • 特別手当/支給総額/社会保険料/雇用保険/所得税/控除合計/差引支給額
  • 備考(シフト特記事項・資格更新)

医療・介護向けで見ておきたいところ

  • 夜勤回数、夜勤手当、休日出勤を分けて残す
  • 資格手当や処遇改善手当は、名称を毎月そろえる
  • 常勤、非常勤、夜勤専従で手当の条件が違う場合は備考に一言入れる

賃金台帳とは

賃金台帳とは、従業員ごとの賃金計算期間、労働日数、労働時間、時間外・休日・深夜労働時間、基本給、手当、控除額などを記録する帳簿です。労働基準法第108条により、使用者は事業場ごとに賃金台帳を作成し、賃金を支払うたびに所定の事項を記入することになっています。

厚生労働省の様式第20号が参考様式として示されていますが、法定項目を満たしていれば、縦型・横型・Excel形式など、職場で管理しやすい形に調整できます。

賃金台帳の様式第20号フォーマット見本|労働基準法の法定項目一覧

引用:厚生労働省 電子申請・電子届出等 様式

様式第20号とBizrouteテンプレートの違い

様式第20号は、賃金台帳に入れる項目を確認するための標準的な様式です。一方で、実務では社員番号、所属、雇用形態、備考欄などがあった方が、あとから見返すときに助かります。

たとえば、労基署対応や年末調整前の確認で「この人の時給はいつ変わった?」となったとき、備考欄に「10月分から時給改定」と残っているだけで、探す時間がかなり減ります。

比較項目 様式第20号 Bizrouteテンプレート
主な用途 法定項目の確認 毎月の入力、集計、保存
形式 標準様式 Excel自動計算、PDF記入例
向いている場面 項目を確認したいとき 月末処理後に台帳として残したいとき
調整しやすさ そのまま使う前提 手当、控除、備考欄を職場に合わせて変更しやすい

賃金台帳の法定項目と記入例

賃金台帳には、氏名、性別、賃金計算期間、労働日数、労働時間数、時間外・休日・深夜労働時間数、基本給や手当、控除額などを記録します。

最初に作るときは、給与明細の項目をそのまま写したくなりますが、賃金台帳では「労働時間の内訳」も見られます。特に時間外、休日、深夜は混ぜない方が後で楽です。

基本項目一覧

区分 項目 内容・例 区分 実務メモ
個人識別 氏名 山田 太郎 法定項目 従業員名簿や給与明細と表記を合わせる
個人識別 性別 男/女 法定項目 社内マスタから転記する場合は入力漏れに注意
期間 賃金計算期間 2026/04/01~2026/04/30 法定項目 締日、支払日、対象月を混同しないようにする
勤怠 労働日数 20日 法定項目 有休、欠勤、特別休暇の内訳は勤怠資料で確認する
勤怠 労働時間数 160.0時間 法定項目 端数処理のルールを毎月そろえる
勤怠 時間外労働時間数 12.0時間 法定項目 残業代計算の根拠になるので、通常時間と分ける
勤怠 休日労働時間数 4.0時間 法定項目 法定休日と所定休日の扱いを社内で確認しておく
勤怠 深夜労働時間数 6.0時間 法定項目 22時から5時までの勤務がある職場で抜けやすい
賃金 基本給 250,000円 法定項目 月給、日給、時給のどれか分かるようにしておく
賃金 各種手当 役職手当、通勤手当など 法定項目 給与明細と名称を合わせると確認しやすい
控除 控除額 健康保険、厚生年金、雇用保険、所得税、住民税 法定項目 料率変更や住民税の年度切替でズレが出やすい
管理用 所属・職名・社員コード 営業一課/主任/A00123 任意 同姓同名がいる会社では入れておくと探しやすい
管理用 雇用形態 正社員/契約社員/パート 任意 手当や控除の適用確認に使える
管理用 備考 2026年10月分から時給改定 任意 変更履歴を短く残す場所として使う
入力時に迷いやすいところ

  • 時間外、休日、深夜は合算せず、別々の列で管理する
  • 控除は社会保険料、税金、社宅費などを項目ごとに分ける
  • 締日と支払日を混同しない。月末はここで意外と止まります
  • 昇給や時給変更があった月は、備考欄に開始月を残しておく

賃金台帳の記入例

月例給与の記入例です。実際には会社の給与規程や控除額に合わせて調整してください。ここでは、初めて作る担当者が全体像をつかめるよう、1人分の入力イメージにしています。

対象者 山田 太郎(正社員/営業一課/社員コード A00123)
賃金計算期間 2026/04/01~2026/04/30(締日:毎月末/支払日:翌月25日)
勤怠 労働日数 20日/総勤務 160.0時間/時間外 12.0時間/休日 4.0時間/深夜 6.0時間
支給 基本給 250,000円/役職手当 20,000円/通勤手当 10,000円/時間外手当 18,750円/休日手当 8,100円/深夜手当 2,250円
総支給額 309,100円
控除 健康保険 15,000円/厚生年金 27,000円/雇用保険 930円/所得税 6,500円/住民税 12,000円
控除合計 61,430円
差引支給額 247,670円
記入するときの確認メモ

  • 時間外・休日・深夜は、それぞれ割増率が違うので分けて記録する
  • 通勤手当などの非課税扱いは、給与明細側の項目名と合わせる
  • 端数処理のルールは、毎月同じにする
  • 賞与は月例給与と分けて、支給日と金額が分かるように残す

賃金台帳と給与明細の違い

賃金台帳と給与明細は、どちらも給与に関する書類ですが、使う相手と目的が違います。ここを混同すると、「賃金台帳を社員に渡すの?」という話になりがちです。

給与明細は、従業員に支給内容を知らせるための書類です。賃金台帳は、会社が労務管理のために保存する帳簿です。月末に給与明細を作ったあと、その内容を賃金台帳にも残しておく、という流れにすると管理しやすくなります。

比較 賃金台帳 給与明細
主な役割 会社が給与・勤怠・控除を記録して保存する 従業員に支給内容を知らせる
見る人 経理、労務担当、管理側 従業員本人
作るタイミング 賃金を支払うたび 給与支払い時
使う場面 労務管理、監査、調査、年末調整前の確認 従業員への給与内容の通知

賃金台帳の保存期間

賃金台帳などの労働関係書類は、法改正により保存期間が5年に延長されています。ただし、経過措置として当分の間は3年とされています。

実務では、3年を過ぎても確認したくなる場面があります。退職者の問い合わせ、未払い残業代の確認、年末調整や労務監査の資料確認などです。紙で全部残すのが大変な場合でも、年度ごとにPDF化して、Excel原本と一緒にフォルダ保存しておくと後で探しやすいです。

保存時のちょっとした工夫

  • ファイル名に年度を入れる(例:賃金台帳_2026年度.xlsx)
  • 社員別ではなく、年度別フォルダにまとめる
  • 確定後のPDFと、修正できるExcel原本を両方残す
  • 前年ファイルを開いたまま作業しない。上書き事故が起きやすいです

作成時の注意点とよくある失敗

賃金台帳は、毎月きちんと作っているつもりでも、あとで見返すと「あれ、ここ抜けてる」ということがあります。特に月末の忙しい時間帯、給与明細を出した直後にまとめて入力するとミスが出やすいです。

  • 時間外・休日・深夜をまとめてしまう
    残業時間、休日労働時間、深夜労働時間は、割増率や確認する意味が違います。合計時間だけを書いてしまうと、あとから計算根拠を追いにくくなります。
  • 控除額を古い料率のまま使う
    社会保険料、雇用保険料、住民税は年度や時期によって変わります。前月のファイルをコピーして使うときは、控除額の列を必ず見直してください。
  • 年度切替で前年ファイルを上書きする
    これはかなり多いです。4月や決算期の作業で、前年分を開いたまま入力してしまうケースがあります。年度が変わったら、最初にファイルを複製してから作業した方が安全です。
  • 給与明細と項目名がずれる
    給与明細では「通勤手当」、賃金台帳では「交通費」と書いていると、あとで照合するときに少し迷います。名称はできるだけそろえておくと楽です。
  • 時給変更の履歴を残していない
    アルバイトやパートは、途中で時給が変わることがあります。備考欄に「2026年10月分から時給1,200円」などと残しておくと、あとで見返したときに話が早いです。

よくある質問

賃金台帳はいつ作成しますか?
賃金を支払うたびに作成します。月給制、日給制、時給制に関係なく、給与の支払いがあった月は記録を残します。月末の給与計算が終わったあと、給与明細と照らしながら入力すると流れを作りやすいです。
電子データのみで保存できますか?
電子データで保存する運用も可能です。ただし、あとから確認や印刷ができる状態にしておく方が安心です。Excel原本に加えて、確定後のPDFを年度別フォルダに残しておくと探しやすくなります。
パートやアルバイトも賃金台帳の対象ですか?
パート、アルバイト、契約社員など、雇用形態に関係なく賃金を支払っている人は対象になります。短時間勤務の人でも、労働日数や労働時間、支給額、控除額を記録します。
賃金台帳と給与明細は同じものですか?
同じではありません。給与明細は従業員へ支給内容を知らせる書類、賃金台帳は会社が保存する帳簿です。項目は似ていますが、賃金台帳では労働時間や控除額などを会社側で後から確認できる形に残します。
様式第20号をそのまま使わないといけませんか?
様式第20号は参考様式です。法定項目を満たしていれば、Excelで管理しやすい形に調整してもかまいません。社員コード、所属、備考欄などを加えると、実務ではかなり見やすくなります。
手当や給与条件が変わった場合はどう更新しますか?
変更後の給与計算に合わせて、項目名や金額を更新します。昇給、時給変更、手当の追加があった場合は、備考欄に「○月分から変更」と残しておくと、あとで経緯を確認しやすいです。
賞与は賃金台帳にどう書きますか?
月例給与とは分けて、賞与支給日、支給額、控除額、差引支給額が分かるように記録します。「賞与」「臨時給与」など名称をはっきり書いておくと、年末に確認するときも迷いません。
社員コードや部署名は入れた方がいいですか?
法定項目ではありませんが、入れておくと管理しやすくなります。人数が増えると、同姓同名や部署異動で探しにくくなるので、社員コード、所属、雇用形態の列を足しておくと後の作業が楽です。
時給が複数ある従業員はどう書けばいいですか?
通常勤務、残業、深夜、休日など、区分ごとに時間と金額を分けて記録します。まとめて書くと、割増賃金の根拠が分かりにくくなります。途中で時給が変わった場合は、備考に変更月を残してください。
交通費や非課税手当はどこに記載しますか?
通勤手当などの名称で、支給欄に分けて記載します。課税分と非課税分を分けて管理している場合は、給与明細側の項目名と合わせておくと照合しやすいです。
他社ソフトのデータを取り込めますか?
給与ソフトや勤怠ソフトからCSVで出力できる場合は、Excel側で加工して使えることがあります。ただし、列の並びや項目名が違うとズレるので、最初の1回は少人数分で試してから全員分に広げる方が安全です。
年末調整や労務監査で賃金台帳は使いますか?
使う場面があります。支給額、控除額、労働時間を確認するときに賃金台帳を見返します。月次で入力しておくと、年末に慌てて資料を探す時間が減ります。

まとめ

賃金台帳は、会社が給与や労働時間の記録を残すための帳簿です。給与明細を出して終わりではなく、支給額、控除額、労働日数、労働時間を台帳として残しておくことで、あとから確認しやすくなります。

テンプレートを使わずに一から作ると、時間外・休日・深夜の列を忘れたり、控除欄が足りなかったりして、途中で作り直しになりがちです。最初は近いテンプレートを選び、職場の手当や控除に合わせて少し調整するくらいが使いやすいと思います。

月給者が中心なら一般用、時給スタッフが多いなら日給・時間給用、飲食店や介護施設など手当が多い職場なら業種別テンプレートを選んでください。月末の処理後、給与明細と照らしながら入力しておくと、翌月以降の確認がかなり楽になります。

■ このページについて
本ページは、Bizroute編集部が作成・更新しています。中小企業や店舗の経理・労務担当者が、毎月の給与支払い後に記録を残しやすいよう、Excelで使える賃金台帳テンプレートを用途別に整理しています。


■ このページの累計ダウンロード数
2020年5月26日~2025年8月12日まで

10,391件 ダウンロード

■ 最終更新日