外注先やフリーランスとの業務委託契約を終わらせるときの書面を、Wordで2種類用意しました。
相手の契約違反を理由に解除する「解除通知書」と、話し合いで終了をお願いする「解約申入書」です。どちらもA4縦1枚で、ダウンロードしてすぐに書き換えられます。
業務委託契約の解除通知書・解約申入書テンプレート(Word)
解除通知書(契約違反・催告後)

| 形式 | Word(A4縦・1枚) |
|---|---|
| ファイル名 | kaiyaku-itaku.docx |
| 対応バージョン | Word 2013 以降 |
| ファイルサイズ | 約 21KB |
解約申入書(合意での終了)

| 形式 | Word(A4縦・1枚) |
|---|---|
| ファイル名 | kaiyaku-itaku-goui.docx |
| 対応バージョン | Word 2013 以降 |
| ファイルサイズ | 約 21KB |
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2026年10月に解除通知書の文面を見直し、催告した日付と是正期限、違反の内容、返還やデータ削除、報酬の精算などの欄を「記」に加えました。
「解除」と「解約の申し入れ」はどう使い分けるか
| 解除通知書 | 解約申入書 | |
|---|---|---|
| 使う場面 | 納期遅れや品質の問題を催告しても直らない | 方針変更や予算の見直しなど、相手に落ち度はない |
| 相手の同意 | いらない | いる |
| 契約が終わる日 | 通知が相手に届いた日(テンプレートの文面の場合) | 相手と合意した終了日 |
| 送り方の目安 | 内容証明郵便+配達証明 | メールにPDFを添付、または郵送 |
違反があるかどうか微妙な段階で解除通知を送ると、相手は身構えてしまいます。個人的には、引継ぎまで落ち着いて進めたいなら申入書から入るほうが話は早いと思っています。
契約書に「〇日前までに書面で通知すれば解約できる」といった中途解約の条項があるなら、相手の同意がなくても終わらせられます。その場合は申入書の「合意により終了させていただきたく、本書面にてお申し入れいたします」を「本契約第〇条に基づき、令和〇年〇月〇日をもって解約いたします」に書き換え、題名も「解約通知書」に変えてください。結びの「ご了承いただけましたら〜」の段落も削ります。
解除通知書で決めておくこと
01
催告をするか、しないか
民法541条では、相手が契約を守らないとき、相当の期間を定めて履行を求め(催告)、その期間内に履行がなければ解除できるとされています。違反が軽いと判断される場合は、催告をしても解除できません。
一方、542条には履行がもう不可能な場合や、相手が履行しないとはっきり言っている場合など、催告なしで解除できるケースが並んでいます。
実務では、契約書の解除条項が先です。「催告を要せず直ちに解除できる」と定めた契約も少なくありません。テンプレートは「催告→期限切れ→解除」の流れなので、催告せずに解除するときは本文1段落目の催告の部分と「記」の4を削り、根拠の条項番号を合わせてください。
02
違反の内容は日付で書く
「記」の3は、いつの約束が、いつの時点で守られていないかを書く欄です。「品質が悪い」「対応が遅い」だけだと、相手との認識がずれたまま話が進みます。納期日、成果物の名前、確認した日。この3つがそろっていれば、あとで経緯を説明するときも困りません。
入力例はこちらです。

03
途中までの報酬と損害賠償
途中まで進んだ作業の報酬は、請負なら民法634条、委任・準委任なら648条3項で、できた割合に応じて請求できる場合があります。「一切支払わない」と書くと揉めやすいため、「記」の7は「別途協議のうえ書面で定める」にしました。
本文の「損害賠償の請求を妨げるものではありません」は、545条4項(解除しても損害賠償は請求できる)に沿った一文です。請求するつもりがないなら消してかまいません。
相手がフリーランスなら「30日前の予告」を確認
対象期間6か月以上続く業務委託
予告少なくとも30日前
方法書面・メールなど
2024年11月1日に施行されたフリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)では、6か月以上続く業務委託を途中で解除するとき、または期間満了で更新しないときは、少なくとも30日前までに書面やメールなどで予告することになっています。
対象になるのは、相手が従業員を使っていない個人か、代表者1人だけで従業員のいない法人の場合です。発注する側は、従業員を使っている事業者、または役員が2人以上いる法人が義務を負います。ここでいう従業員は、週20時間以上働き、31日以上の雇用が見込まれる人です。同居の親族は含みません。
例外もあります
災害などで予告が難しい場合や、フリーランス側の責めに帰すべき事由がある場合などです。予告を受けた相手が理由を聞いてきたら、原則として遅滞なく開示します。
申入書を使うなら、終了希望日は相手に届く日から30日以上先にしておくのが無難です。契約書の中途解約条項で予告期間が「14日前」などと短く決めてあっても、この法律の対象になる相手なら30日前の予告が求められます。
解除通知書の場合、相手の違反が理由なら例外にあたる可能性はありますが、あたるかどうかは事情次第。判断がつかないときは弁護士に確認しておくと安心です。
編集部が開発の委託契約を解除したときのこと
01納品の遅れが続く
02先方と面談
03終了方法を話し合う
以前、開発業務を委託していた先との契約を解除したことがあります。成果物がなかなか納品されず、作業が前に進まない状態が続いていました。
このときは実際に面談しています。今のペースでは納期に間に合いそうにないこと、お互いにとってこのまま委託を続けるのは難しいこと。この2点を、直接会って伝えました。
話し合いで合意できた場合申入書と合意書で手続きを進めます。合意できず、催告しても改善がない場合解除通知書を使う流れです。
送り方と内容証明で送るときの注意
解除通知書内容証明+配達証明
送った内容と、相手に届いた日を残しやすい方法です。
e内容証明指定のWord書式へ貼り直す
図・表・外字は使えません。
解約申入書メール+PDFでも可
合意後は終了日と精算方法を合意書に残します。
解除通知書は、届いた日に効力が生じる書面です。日本郵便の内容証明は、いつ・どんな内容の文書を・誰から誰あてに出したかを証明するもので、一般書留として送ります。配達証明をつけておけば、相手に届いた日も残ります。
紙の内容証明では書式を組み直します
このテンプレートは1行あたり35字以上あるため、紙の内容証明へそのまま使う形ではありません。
気をつけたいのは書式です。紙の内容証明は、控え(謄本)の字数と行数に決まりがあり、横書きなら1行20字以内・1枚26行以内などの組み合わせに収める必要があります。このテンプレートは1行あたり35字以上あるため、紙で出すときは文章を写して書式を組み直してください。
ネットから出せる「e内容証明」は、日本郵便が指定するWordの雛形に文章を貼り直す仕組みで、図や表、外字は使えません。
申入書はメールにPDFを添付して送り、返事を待つ形で十分だと思います。合意できたら、終了日と精算の方法を書いた合意書を取り交わしておきましょう。
よくある質問
受託側(外注先・フリーランス)から契約を終わらせたいときにも使えますか?
申入書なら使えます。宛名と差出人を入れ替え、「記」の3のかっこ書きを削り、4を「終了日までに履行した業務の報酬をご請求いたします」のように直してください。委任・準委任の契約は受任者側からも解除できますが、相手に不利な時期だと損害賠償が必要になることがあります(民法651条)。なお、フリーランス法の30日前予告は発注する側の義務です。
解除通知をメールで送っても有効ですか?
民法は解除の方法を書面に限っていませんが、契約書で「書面により通知する」と決めていることがよくあります。まず契約書を確認してください。メールで送る場合も、PDFにした通知書と送受信の記録を保存しておくと、届いた日を示しやすくなります。