プロジェクトを成功させる第一歩は「正しい作業分解」です。WBS(作業分解構成図)はガントチャートによるスケジュール管理の基盤となるタスクリストです。
このページでは、実際のプロジェクト現場で使用されてきたWBSテンプレートを無料で配布しています。ガントチャートでのスケジュール管理に進む前段階として、タスク設計・責任分解・工数見積りを最適化する方法を紹介します。
WBSとは|作業構造化の基本と目的
WBSは、プロジェクト全体を階層的に分解し、タスクを整理するための図表です。
ガントチャートのように「進捗管理」を目的とするのではなく、「何をやるか」を構造化して洗い出すのが目的です。これにより、抜け漏れのない計画立案や工数見積もりが可能になります。
WBSテンプレートのダウンロード(Excel形式)
無料で利用できるExcel形式のWBSテンプレートを用意しました。タスク名・階層・担当・工数などを整理できる基本フォーマットです。
① WBSのみ|シンプルな作業分解表
関数やマクロは使用していないので、不要な項目を削除、必要な項目を追加してオリジナルのWBSを作成してください。
以下のWBSは2か月分が設定されています。週単位でのガントチャートを付けたり3か月以上のスケジュールを引きたい方はこのテンプレートを加工して使用してください。
・「優先度」列を追加し、重要度で並び替え
・カテゴリを「要件定義」「設計」「開発」などに変更
・実績入力欄をロックして報告専用に
② WBS+ガントチャート付き(工程管理にも活用可能)
WBSで階層化したタスクを、そのままガントチャートで工程管理したい方に最適なテンプレートです。プロジェクトの開始日に日付を入れると関数と条件付き書式で自動的に日付と曜日(+土日の色分け)が入ります。
・バー色を進捗率に応じて自動変更(条件付き書式)
・表示期間を2か月 → 3か月に拡張
・担当者ごとに色分けした表示
WBSの作り方|タスク分解の3ステップ
WBSを作成する際は、次の3つの手順に沿って進めると効率的に行えます。
- プロジェクト全体を大項目に分ける
- 各大項目をさらに小タスクへ分解する
- 担当・工数・順序を整理して完成させる
タスク分解は詳細にしすぎると管理が煩雑になり、粗すぎると抜け漏れの原因になるため、適切な粒度が重要です。
WBSの活用例とカスタマイズ方法
WBSは業種やプロジェクト規模に応じて自由にカスタマイズ可能です。
- ソフトウェア開発 → 要件定義/設計/実装/テスト
- イベント企画 → 準備/集客/運営/事後フォロー
- 製造業 → 設計/資材調達/製造/検品/納品
Excel関数を組み合わせれば、自動集計や進捗色分けも可能です。
工数見積り・担当設計での活用ポイント
WBSは単なるタスクリストではなく、工数見積りや担当割り当てに直結します。
各タスクに必要な時間を積み上げることで、全体のリソース配分を正確に把握できます。また、担当者を明記することで責任範囲を明確にし、後工程でのトラブル防止につながります。
Excel以外のWBS作成ツール
通常のWBSでは、Excelの使用が便利ですが、大規模プロジェクトやクラウドでの共同作業では専用ツールの活用も有効です。
- Backlog・Redmineなどのプロジェクト管理ツール
- 専用WBS作成ソフト(MindManagerなど)
- オンラインコラボレーションツール(Notion・Miro)
これらはリアルタイム編集やガントチャート連携が得意ですが、Excelの柔軟性・汎用性も依然として高い評価を得ています。
よくある質問(FAQ)
まとめ
WBSは、プロジェクト全体を抜け漏れなく整理し、工数見積りや担当割り当ての基盤をつくる重要な手法です。
ガントチャートやスケジュール管理表のように「進行管理」を目的とするものではなく、「何をやるか」を明確化することが最大の役割です。
このページで配布しているExcelテンプレートを使えば、誰でも簡単にWBSを作成できます。小規模な案件はExcelだけで十分対応可能ですが、大規模な案件では専用ツールと併用することで、より効率的なプロジェクト運営が可能になります。