突然の異動や退職が決まると、まず頭を悩ませるのが業務引継書(引き継ぎ資料)の作成ではないでしょうか。

この記事では、社内文書の作成支援を手がけてきた文書専門チームが、現場目線で使える「業務引継書テンプレート(Excel無料)」を紹介します。

後任者が迷わず動けるよう、実際の現場でそのまま使えるフォーマットを厳選しました。

※ 引継内容の洗い出しや漏れ防止には、先に業務引継チェックリストを使うのがおすすめです。

このページのテンプレートは株式会社エクシアが、社内の業務引継時に実際に使ってきた業務引継書フォーマットをもとに作成しています。

 

業務引継書テンプレート(Excel/Word/PDF)

用途と編集環境に合わせて業務引継書(引き継ぎ資料)テンプレートの形式を選べます。

Excelテンプレート(無料)

業務一覧・期日・引継責任の管理に向く表形式。A4縦/横を用意。

業務引継書 テンプレート Excel 無料 A4縦 01 業務内容と担当引継ぎ記載用

業務引継書のエクセルテンプレート01
業務引継書 テンプレート Excel 無料 A4縦 02 日次業務の引継ぎフォーマット

業務引継書のエクセルテンプレート02
業務引継書 テンプレート Excel 無料 A4縦 03 担当者変更時の業務一覧表

業務引継書のエクセルテンプレート03
業務引継書 テンプレート Excel 無料 A4縦 04 異動時の引継ぎ書式例

業務引継書のエクセルテンプレート04
業務引継書 テンプレート Excel 無料 A4縦 05 手順・注意事項付きフォーマット

業務引継書のエクセルテンプレート05
業務引継書 テンプレート Excel 無料 A4横 横向きの業務引継フォーマット

業務引継書のエクセルテンプレート06 A4横

Word・PDFテンプレート(無料・社内書式向け)

【目的別】業務引継書テンプレート(エクセル)

引き継ぎの内容は状況によって変わります。ここでは目的に合わせて選べるよう、種類別にテンプレートをまとめました。

プロジェクト引き継ぎ書

進捗状況やタスクの担当者をまとめて整理できるテンプレートです。途中から引き継ぐ場面でも、後任者がすぐ全体像を把握できます。

プロジェクト業務引継書テンプレート Excel 無料 プロジェクト進行中の引継ぎ用

営業向けの引き継ぎ書

得意先との関係性や商談の経緯は、口頭だけでは伝わりにくいものです。このテンプレートを使えば、取引先情報・商談履歴・案件の進行状況をまとめて整理でき、引き継ぎ後の関係維持もスムーズになります。

営業業務引継書テンプレート Excel 無料 顧客管理・案件進行向け

製造業向け引き継ぎ書

製造ラインや工程管理では、手順の抜け漏れが品質や安全に直結します。このテンプレートでは、業務手順・注意点・イレギュラー対応までを記録できるため、現場をよく知らない後任者でも安心して業務に入れます。

製造業向け業務引継書テンプレート Excel 無料 作業手順・品質管理用

サービス業向け引き継ぎ書

サービス業はスタッフの入れ替わりが多く、接客手順やシフトのルールが属人化しがちです。このテンプレートを使えば、口頭で伝えていた細かいノウハウも文書化でき、新しいスタッフがすぐ現場に馴染めます。

サービス業向け業務引継書テンプレート Excel 無料 接客・シフト管理に対応

業務引継書とは

業務引継書とは、担当者が異動・退職する際に、業務内容や進捗状況を後任者へ伝えるための文書です。口頭だけでは伝えきれない情報を記録しておくことで、担当者が変わっても業務が止まらない仕組みをつくります。

業務引継書の重要性

厚生労働省の調査によると、離職者のうち約3割が入社後3年以内に退職しています。担当者の交代は、どの職場でも避けられない現実です。品質を落とさずに、業務を回し続けるためには、引き継ぎの仕組みを整えておくことが欠かせません。

  • 業務の円滑な移行:
    前任者の経験や知識を文書化しておくことで、担当者が変わった初日から業務を動かせる
  • 業務品質の維持:
    「聞いていなかった」「知らなかった」による伝達漏れを防ぎ、精度の高い引き継ぎを実現
  • ノウハウの蓄積:
    特定の人だけが知っている情報を組織の財産として残し、属人化を解消
  • リスクの軽減:
    引き継ぎミスによるクレームや損失を未然に防ぎ、チーム全体の負担を減らす

業務引継書の書き方(3ステップ)

サイボウズチームワーク総研の調査では、引き継ぎを受けた人の71.2%が「何らかの問題があった」と回答しています。

最も多い原因は「十分な時間がなかった」(59.9%)、次いで「仕事の全体像がわからないまま引き継がれた」(35.6%)でした。この2つを防ぐために有効なのが、以下の3ステップです。

手順を決めておくだけで、抜け漏れと時間不足の両方をまとめてカバーできます。

  1. 骨子設計:
    引き継ぐ業務・関係者・期限・重要度を洗い出し、骨格を固める
  2. 実務情報の充填:
    資料の保管場所・使用システム・マニュアル・トラブル対応を具体的に記入する
  3. 受け渡しと確認:
    後任者と面談し、内容をToDo化。確認サインをもらってPDFで保存する

業務引継書の構成ポイント

引継書は内容の充実度だけでなく、構成次第で後任者の理解スピードが大きく変わります。現場でよく見られる失敗を踏まえ、押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

1. 誰が読むかを想定する

後任者が新入社員なのか、他部署からの異動者なのかによって、説明の仕方が変わります。

専門用語をそのまま使うと混乱を招くこともあるため、「自分が初めてこの業務を担当したとき、何がわからなかったか」を思い出しながら書くと精度が上がります。

2. 見出しや区切りで読みやすくする

構成例:

  • 業務の概要
  • 具体的な手順やスケジュール
  • 関係者の連絡先
  • トラブル発生時の対応
  • 関連資料・マニュアル

3. 情報の正確性を意識する

引継書は、前任者が去った後も使われ続ける文書です。「たぶん〜だと思います」のような曖昧な表現は後任者を迷わせます。更新日を明記し、内容に変更が生じた際は必ず上書きする運用にしておきましょう。

  • 更新日を明記する
  • 曖昧な言い回しを避ける

カスタマイズ例(業種別)

業務引継書テンプレートを自社用にカスタマイズする際の職種別の方法を紹介します。

営業職向け
・引継項目に「得意先リスト」「訪問履歴」「見積進行中案件」などを追加
事務職向け
・「使用システム」「ファイル保管場所」「よくある問合せ対応」を記載
製造・工場系
・「工程フロー」「注意すべき作業」「部材の在庫管理」などを中心に記述

引き継ぎ時のよくある失敗と注意点

これまで多くの引継書の作成支援をしてきた中で、同じ失敗パターンが繰り返されることに気づきました。

どれも「もう少し早く知っていれば」と思えるものばかりです。引き継ぎ前に一度、この3点を確認してみてください。

引継書が抽象的すぎる
「担当者に確認してください」と書かれた引継書を受け取った後任者が、肝心の担当者がすでに退職していて途方に暮れた——という話は珍しくありません。「いつ・誰に・何を・どの手順で」まで書いて、初めて引継書として機能します。

マニュアルを添付していない
引継書の本文に手順を書いても、元のマニュアルや資料がないと後任者が詳細を確認できません。ファイルの保存場所やリンクは、引継書と必ずセットで記載してください。

引継後の確認がされていない
「渡したから終わり」が最も多い失敗です。後任者は受け取った直後より、実際に業務を始めてから疑問が出てきます。引継完了後1〜2週間以内に、短くても確認の場を設けることをおすすめします。

引継ぎチェックリスト(漏れ防止)

実際の業務引き継ぎで多く見られた抜け漏れは、「担当者にとっては当たり前になっているため、あえて書き出さなかった事項」に集中していました。特に、日常的な判断基準や暗黙の運用ルールは文書化されにくく、後任者の混乱につながる傾向があります。

本チェックリストは、現場での運用検証をもとに、①作成前の業務棚卸し、②引渡し時の対面確認、③完了報告前の最終確認、の3段階で活用することで、抜け漏れ防止に効果があることを確認しています。

  • アカウント/権限(メール・SaaS・社内システム)
    退職後に変更されると後任者がアクセスできなくなるため、最優先で確認
  • 保存場所(共有ドライブ/フォルダ/紙ファイル)
    「自分のPC内にしかない」ファイルがないか、この機会に棚卸しを
  • 定例業務の締切・頻度(例:毎月末日、毎週月曜)
    「なんとなく知っている」が一番危ない。頻度と締切日は必ず数字で記載
  • 重要連絡先(顧客/社内/取引先)
    名前だけでなく、どんな場面で連絡する相手かも添えておく
  • 未完了タスク/懸念事項/リスク・回避策
    「あとは任せます」が一番困る。現時点の進捗と次のアクションをセットで記載
  • マニュアル/手順書のリンク
    リンク切れや保存場所のズレがないか、引渡し前に必ず確認
  • 引継ぎ完了の確認(面談・サイン・保管先)
    口頭だけで終わらせず、記録として残すことがトラブル防止につながる

よくある質問(FAQ)

業務引継書テンプレートは無料で利用できますか?
はい。掲載している全てのテンプレートはExcel形式で無料ダウンロード可能です。商用利用も可能ですが、再配布・販売はご遠慮ください。
業務引継書テンプレートは編集できますか?
はい。Excel形式のため、用途に合わせて自由に編集・カスタマイズが可能です。セル追加やシート分割なども対応できます。
異動や退職のどれくらい前に引継書を作成すべきですか?
理想的には異動・退職の2週間〜1ヶ月前から準備を始め、後任者との引継ぎ期間を確保するのが望ましいです。
目的別テンプレートの使い分けはどうすればいいですか?
プロジェクト管理・営業・製造・サービス業など、業務の特性に応じて「目的別テンプレート」を使い分けてください。汎用テンプレートでは対応が難しい場合におすすめです。
業務マニュアルがあれば引継書は不要ですか?
マニュアルがあっても、引継書は必要です。引継書には「誰に」「どの業務を」「どの時点で」引き継ぐかという実務的な情報が記載されるため、マニュアルとは役割が異なります。

関連リンク

まとめ:引き継ぎ書は準備とコミュニケーション

引継書が整っていれば、担当者が変わった翌日から業務は動きます。

「いつか作ろう」と思っているうちに異動の辞令が出た、という話は珍しくありません。まずはテンプレートを開いて、自分の業務を一つ書き出すところから始めてみてください。

■ 作成者・監修情報
本ページは、ビジネス文書テンプレートサイト「Bizroute」を運営する株式会社エクシア(2001年創業)により制作・監修されています。
株式会社エクシアではこれまで、

  • 業務システム開発(在庫管理・業務管理など)
  • Web制作・業務効率化支援
  • 帳票テンプレート設計

などを手がけており、実務ベースでの業務フロー設計に強みがあります。

本テンプレートは、業務引継書の作成において実務で起きやすい

  • 業務内容の記載不足による引継ぎ漏れ
  • 手順や注意点が不明確で再現できない
  • 関係者・連絡先・期限の情報不足

といった課題を防ぐ目的で設計しています。

そのため本テンプレートでは、「業務内容の整理」「手順・注意点の明確化」「関係者情報・スケジュールの明示」を基本設計としています。


■ 著者
Bizroute編集部(株式会社エクシア)

■ 監修
株式会社エクシア

■ 最終更新日

■ 用途
業務引継書/業務マニュアル/引継ぎメモ/担当変更時の引継ぎ資料