突然の異動や退職が決まると、まず頭を悩ませるのが業務引継書(引き継ぎ資料)の作成ではないでしょうか。
この記事では、社内文書の作成支援を手がけてきた文書専門チームが、現場目線で使える「業務引継書テンプレート(Excel無料)」を紹介します。
後任者が迷わず動けるよう、実際の現場でそのまま使えるフォーマットを厳選しました。
※ 引継内容の洗い出しや漏れ防止には、先に業務引継チェックリストを使うのがおすすめです。
業務引継書テンプレート(Excel/Word/PDF)
用途と編集環境に合わせて業務引継書(引き継ぎ資料)テンプレートの形式を選べます。
Excelテンプレート(無料)
業務一覧・期日・引継責任の管理に向く表形式。A4縦/横を用意。
Word・PDFテンプレート(無料・社内書式向け)
【目的別】業務引継書テンプレート(エクセル)
引き継ぎの内容は状況によって変わります。ここでは目的に合わせて選べるよう、種類別にテンプレートをまとめました。
プロジェクト引き継ぎ書
進捗状況やタスクの担当者をまとめて整理できるテンプレートです。途中から引き継ぐ場面でも、後任者がすぐ全体像を把握できます。
営業向けの引き継ぎ書
得意先との関係性や商談の経緯は、口頭だけでは伝わりにくいものです。このテンプレートを使えば、取引先情報・商談履歴・案件の進行状況をまとめて整理でき、引き継ぎ後の関係維持もスムーズになります。
製造業向け引き継ぎ書
製造ラインや工程管理では、手順の抜け漏れが品質や安全に直結します。このテンプレートでは、業務手順・注意点・イレギュラー対応までを記録できるため、現場をよく知らない後任者でも安心して業務に入れます。
サービス業向け引き継ぎ書
サービス業はスタッフの入れ替わりが多く、接客手順やシフトのルールが属人化しがちです。このテンプレートを使えば、口頭で伝えていた細かいノウハウも文書化でき、新しいスタッフがすぐ現場に馴染めます。
業務引継書とは
業務引継書とは、担当者が異動・退職する際に、業務内容や進捗状況を後任者へ伝えるための文書です。口頭だけでは伝えきれない情報を記録しておくことで、担当者が変わっても業務が止まらない仕組みをつくります。
業務引継書の重要性
厚生労働省の調査によると、離職者のうち約3割が入社後3年以内に退職しています。担当者の交代は、どの職場でも避けられない現実です。品質を落とさずに、業務を回し続けるためには、引き継ぎの仕組みを整えておくことが欠かせません。
- 業務の円滑な移行:
前任者の経験や知識を文書化しておくことで、担当者が変わった初日から業務を動かせる - 業務品質の維持:
「聞いていなかった」「知らなかった」による伝達漏れを防ぎ、精度の高い引き継ぎを実現 - ノウハウの蓄積:
特定の人だけが知っている情報を組織の財産として残し、属人化を解消 - リスクの軽減:
引き継ぎミスによるクレームや損失を未然に防ぎ、チーム全体の負担を減らす
業務引継書の書き方(3ステップ)
サイボウズチームワーク総研の調査では、引き継ぎを受けた人の71.2%が「何らかの問題があった」と回答しています。
最も多い原因は「十分な時間がなかった」(59.9%)、次いで「仕事の全体像がわからないまま引き継がれた」(35.6%)でした。この2つを防ぐために有効なのが、以下の3ステップです。
手順を決めておくだけで、抜け漏れと時間不足の両方をまとめてカバーできます。
- 骨子設計:
引き継ぐ業務・関係者・期限・重要度を洗い出し、骨格を固める - 実務情報の充填:
資料の保管場所・使用システム・マニュアル・トラブル対応を具体的に記入する - 受け渡しと確認:
後任者と面談し、内容をToDo化。確認サインをもらってPDFで保存する
業務引継書の構成ポイント
引継書は内容の充実度だけでなく、構成次第で後任者の理解スピードが大きく変わります。現場でよく見られる失敗を踏まえ、押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
1. 誰が読むかを想定する
後任者が新入社員なのか、他部署からの異動者なのかによって、説明の仕方が変わります。
専門用語をそのまま使うと混乱を招くこともあるため、「自分が初めてこの業務を担当したとき、何がわからなかったか」を思い出しながら書くと精度が上がります。
2. 見出しや区切りで読みやすくする
構成例:
- 業務の概要
- 具体的な手順やスケジュール
- 関係者の連絡先
- トラブル発生時の対応
- 関連資料・マニュアル
3. 情報の正確性を意識する
引継書は、前任者が去った後も使われ続ける文書です。「たぶん〜だと思います」のような曖昧な表現は後任者を迷わせます。更新日を明記し、内容に変更が生じた際は必ず上書きする運用にしておきましょう。
- 更新日を明記する
- 曖昧な言い回しを避ける
カスタマイズ例(業種別)
業務引継書テンプレートを自社用にカスタマイズする際の職種別の方法を紹介します。
・引継項目に「得意先リスト」「訪問履歴」「見積進行中案件」などを追加
・「使用システム」「ファイル保管場所」「よくある問合せ対応」を記載
・「工程フロー」「注意すべき作業」「部材の在庫管理」などを中心に記述
引き継ぎ時のよくある失敗と注意点
これまで多くの引継書の作成支援をしてきた中で、同じ失敗パターンが繰り返されることに気づきました。
どれも「もう少し早く知っていれば」と思えるものばかりです。引き継ぎ前に一度、この3点を確認してみてください。
「担当者に確認してください」と書かれた引継書を受け取った後任者が、肝心の担当者がすでに退職していて途方に暮れた——という話は珍しくありません。「いつ・誰に・何を・どの手順で」まで書いて、初めて引継書として機能します。
マニュアルを添付していない
引継書の本文に手順を書いても、元のマニュアルや資料がないと後任者が詳細を確認できません。ファイルの保存場所やリンクは、引継書と必ずセットで記載してください。
引継後の確認がされていない
「渡したから終わり」が最も多い失敗です。後任者は受け取った直後より、実際に業務を始めてから疑問が出てきます。引継完了後1〜2週間以内に、短くても確認の場を設けることをおすすめします。
引継ぎチェックリスト(漏れ防止)
実際の業務引き継ぎで多く見られた抜け漏れは、「担当者にとっては当たり前になっているため、あえて書き出さなかった事項」に集中していました。特に、日常的な判断基準や暗黙の運用ルールは文書化されにくく、後任者の混乱につながる傾向があります。
本チェックリストは、現場での運用検証をもとに、①作成前の業務棚卸し、②引渡し時の対面確認、③完了報告前の最終確認、の3段階で活用することで、抜け漏れ防止に効果があることを確認しています。
- アカウント/権限(メール・SaaS・社内システム)
退職後に変更されると後任者がアクセスできなくなるため、最優先で確認 - 保存場所(共有ドライブ/フォルダ/紙ファイル)
「自分のPC内にしかない」ファイルがないか、この機会に棚卸しを - 定例業務の締切・頻度(例:毎月末日、毎週月曜)
「なんとなく知っている」が一番危ない。頻度と締切日は必ず数字で記載 - 重要連絡先(顧客/社内/取引先)
名前だけでなく、どんな場面で連絡する相手かも添えておく - 未完了タスク/懸念事項/リスク・回避策
「あとは任せます」が一番困る。現時点の進捗と次のアクションをセットで記載 - マニュアル/手順書のリンク
リンク切れや保存場所のズレがないか、引渡し前に必ず確認 - 引継ぎ完了の確認(面談・サイン・保管先)
口頭だけで終わらせず、記録として残すことがトラブル防止につながる
よくある質問(FAQ)
関連リンク
まとめ:引き継ぎ書は準備とコミュニケーション
引継書が整っていれば、担当者が変わった翌日から業務は動きます。
「いつか作ろう」と思っているうちに異動の辞令が出た、という話は珍しくありません。まずはテンプレートを開いて、自分の業務を一つ書き出すところから始めてみてください。
本ページは、ビジネス文書テンプレートサイト「Bizroute」を運営する株式会社エクシア(2001年創業)により制作・監修されています。
株式会社エクシアではこれまで、
- 業務システム開発(在庫管理・業務管理など)
- Web制作・業務効率化支援
- 帳票テンプレート設計
などを手がけており、実務ベースでの業務フロー設計に強みがあります。
本テンプレートは、業務引継書の作成において実務で起きやすい
- 業務内容の記載不足による引継ぎ漏れ
- 手順や注意点が不明確で再現できない
- 関係者・連絡先・期限の情報不足
といった課題を防ぐ目的で設計しています。
そのため本テンプレートでは、「業務内容の整理」「手順・注意点の明確化」「関係者情報・スケジュールの明示」を基本設計としています。
■ 著者
Bizroute編集部(株式会社エクシア)
■ 監修
株式会社エクシア
■ 最終更新日
■ 用途
業務引継書/業務マニュアル/引継ぎメモ/担当変更時の引継ぎ資料









