「在職証明書を用意してください」と言われて、ちょっと戸惑った経験がある方は少なくないと思います。保育園の入園申請や転職のタイミングなど、ふいに必要になることが多い書類です。
このページでは、中小企業の労務まわりに長く関わってきた中で、実際に何度も見てきた発行手続きの流れをもとに、会社への頼み方、文例、封筒の準備、使いやすいテンプレートをひと通りまとめました。
退職したあとに頼む場合や、アルバイト・パートで働いているときの注意点も入れています。自分の状況に近いところから読んでもらえれば十分です。
退職証明書については以下で紹介しています。
在職証明書(就労証明書)発行のお願い方法&例文
在職証明書は、まず総務か人事に頼むのが一般的です。もし担当がわからなければ、会社の代表番号に電話して「在職証明書をお願いしたいのですが」と伝えれば、大抵は担当部署につないでもらえます。
在職中なら、廊下や休憩室で担当者に声をかけるだけで済むことがほとんどです。退職後は、電話・メール・文書のどれかで連絡します。
退職した会社に連絡するのは、やっぱり少し気が重いものです。朝にメールを書く手が止まる、という人もいるかもしれません。そんなときは、無理に電話にせず、メールや手紙で用件を整理して伝えれば十分です。使う目的、必要な枚数、いつまでに欲しいか。この3つが入っていれば、先方も動きやすくなります。
担当者側でも、証明書の作成や社印の確認に数日かかることがあります。締切が書かれていないと、急ぎの案件に埋もれて後回しになることもあります。提出日が決まっているなら、その日付は最初に書いておいたほうが話が早いです。
以下では、文書で連絡する場合の例文を紹介します。
〇〇部 [担当者名] 様
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。○年○月まで貴社に在籍していた○○○○です。在職中は公私にわたりお世話になりましたことを厚く御礼申し上げます。
早速ですが、再就職のため在職証明書が必要となりました。ご多忙のところ大変恐縮ですが、以下の項目で在職証明書を発行して頂きたくお願い申し上げます。
なお提出期限がありますので○月○日までにご返送いただければ幸いです。
まずは、略儀ながら書中をもちましてお願い申し上げます。
1. 雇用期間
2. 仕事内容・役職
3. 勤務形態
4. 給与総支給額
氏名
住所
電話番号
〇〇部 [担当者名] 様
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。○年○月まで貴社に在籍していた○○○○です。在職中は公私にわたりお世話になりましたことを厚く御礼申し上げます。
早速ですが、再就職のため在職証明書が必要となりました。ご多忙のところ大変恐縮ですが、同封の書類にご記入ご捺印頂き、同封の返信用封筒でご返送下さいますようお願い申し上げます。
なお提出期限がありますので○月○日までにご返送いただければ幸いです。
まずは、略儀ながら書中をもちましてお願い申し上げます。
氏名
住所
電話番号
- 依頼文の敬語がどこかちぐはぐで、担当者に読み返させてしまう
- 提出期限を書き忘れて「いつまでに?」と確認の連絡が来る
- 返信用封筒の自分の名前に「様」をつけてしまう(「行」か「宛」にするのが正しい)
在職証明書を依頼する時の封筒と宛名の書き方
郵送で頼むとなると、文面より先に封筒で手が止まることがあります。長形3号でいいのか、切手はいくらか。細かいところですが、ここで迷いやすいので、先に必要なものを整理しておきます。
郵送での依頼に必要なもの
- 郵送用封筒
- 依頼の文書
- 返信用封筒
- 宛名・差出人の正しい表記(「行」「宛」の使い分け)
発行のお願い文書と返信用封筒を送るための封筒です。封筒のサイズは、一般的な手紙の送付に使う長形3号封筒でOKです。文書と返信用封筒を折って封入します。
切手は重さで変わりますが、返信用封筒まで入れると案外ぎりぎりです。封をしたあとで「あれ、足りるかな」と不安になることもあります。迷うなら郵便局の窓口で量ってもらうのが確実です。料金不足で戻ってくると、そのぶん日数もずれてしまいます。
在職証明書などを発行してもらうための依頼の文書が必要です。書き方については、在職証明書(就労証明書)の会社への発行依頼を参考にしてください。
A4用紙など大きい場合は、文書を3つ折りにして郵送用封筒に入れます。
書類を返送してもらう場合は、返信用封筒を必ず同封しましょう。切手代や封筒の手配を相手に負担させないための配慮で、スムーズに対応してもらいやすくなります。返信用封筒には、宛先(自分の住所・氏名)を書いて切手(84円)も貼っておきます。
郵送用封筒の宛名は、担当者個人あてなら「○○様」、部署・会社あてなら「○○御中」とします。一方、返信用封筒に自分の名前を書く場合は「様」ではなく「行」や「宛」にしておきます。
相手が「行」を二重線で消して「様」に書き直すのが正式なマナーのため、最初から「様」にしてしまうと失礼にあたります。
雇用形態別の在職証明書依頼
「アルバイトでも出してもらえるのだろうか」と不安になるかもしれませんが、実際には、正社員でなくても対応してもらえることは少なくありません。
ただし雇用形態によって依頼先や注意点が異なるため、自分に合った方法を確認しておきましょう。
アルバイト・パートが依頼する場合
アルバイトやパートでも、在籍していた事実は証明してもらえることがほとんどです。ただ、勤務日数や時間帯まで書いてもらえるかは、会社によってかなり差があります。
保育園の入園申請のように、記載項目が細かく決まっている場合は、申請書類をそのまま担当者に見せて「この欄を埋めてもらえますか」と直接お願いするのが確実です。口頭で伝えるより、書類を見せるほうが認識のズレが起きにくいと感じます。
派遣社員が依頼する場合
派遣社員の場合は、派遣先ではなく派遣会社に依頼します。派遣契約期間が終了している場合は発行されないケースもあります。まずは派遣会社の担当者に使用目的を伝えて確認してみましょう。
「発行できない」と言われても、就業証明書など別の書類で代わりになる場合があります。一度断られたからといってすぐ諦めず、「別の形では対応できますか」ともう一声聞いてみることをおすすめします。
正社員の在職証明書依頼
正社員の場合は最も依頼しやすい立場ですが、「給与額を記載してほしい」といったケースでは、会社の規定や担当者の判断によって対応が分かれます。
頼む前に、書いてほしい項目を先にメモで出しておくと、あとで「勤務形態が入っていない」「提出先の欄が足りない」といった抜けを減らせます。
在職証明書と就労証明書・勤務証明書の違い
在職証明書、就労証明書、勤務証明書は、名前こそ違いますが、中身はかなり近いです。ただ、提出先によって「この名称で出してください」と指定されることがあるので、そこだけは先に確認しておくと安心です。
| 名称 | 主な用途 | 記載内容 | 発行義務 | 提出先の例 |
|---|---|---|---|---|
| 在職証明書 | 在職中または過去の在籍を証明するため | 雇用期間、勤務形態、役職、勤務地など | 義務なし(会社の任意) | 転職先、金融機関、住宅ローン審査など |
| 就労証明書 | 働いている実態を証明するため | 勤務日数、勤務時間、雇用形態、雇用期間など | 自治体指定の様式がある場合は対応必要 | 保育園・幼稚園の入園申請、自治体手続き |
| 勤務証明書 | 勤務の事実を証明するため | 雇用期間、職種、職務内容、勤務形態など | 義務なし(会社の任意) | ビザ申請、各種資格試験の受験申請、官公庁手続き |
就労証明書を会社に依頼する方法
保育園の入園申請などでよく求められるのが就労証明書です。役所指定の様式がある場合は、そのフォーマットを会社に記入してもらいます。
勤務証明書の依頼文テンプレート
勤務証明書を依頼する場合も基本は在職証明書と同じです。勤務期間・勤務時間・職務内容などを明確に記載してもらうよう依頼します。
会社が発行してくれない場合の対応
在職証明書は、頼めば必ず出る書類というわけではありません。会社によっては断られることもあります。そうなったときに慌てないよう、代わりに出せる書類も見ておくと動きやすいです。
自分で作成した証明書を提出し、会社に署名・押印を依頼する方法です。基本項目を空欄にして依頼文と一緒に送付するとスムーズです。
代替できる書類(退職証明書など)
在職証明書を発行してもらえない場合、退職証明書や給与明細で代用できる場合があります。提出先に代替可能か必ず確認してください。
在職証明書テンプレート(エクセル)
以下に、Excelで使える在職証明書テンプレートを置いています。ダウンロードページへ移動したあと、ページ下部のボタンから取得できます。登録やアンケートはありません。すぐ使いたいときでも、そのまま持っていけます。
ユーザー登録やアンケートなどの手間はありませんので是非ダウンロードして利用してください。
・部署名・社員番号の欄を追加して社内照合を簡単に
・会社ロゴを左上に配置して自社仕様に変更
・日付形式を和暦に統一し、提出先の指定に対応
・勤務形態(常勤/非常勤)を選択式に変更
在職証明書テンプレート(ワード)
ワードで作成した在職証明書テンプレートです。
・社印欄のサイズを拡大し電子印影に対応
・発行責任者の部署名・役職を追記
・退職済みの方向けに「在籍期間」の表現を変更
・改行位置を調整して印刷時のズレを修正
・指定されたフォーマットに合わせた項目名への変更例付き
・宛名や提出先名称を記入できる空欄を追加
・備考欄を追加して特記事項の入力に対応
・フォントや文字サイズを提出先のガイドラインに合わせて統一
在職証明書とは
在職証明書は、その会社で働いていること、あるいは以前に在籍していたことを会社側が証明する書類です。
法律で様式や名称が決まっているわけではないので、会社によって「在籍証明書」「就労証明書」「勤務証明書」など呼び方がバラバラなことがあります。記載する項目も会社ごとに違うので、提出先から指定がある場合は、依頼するときにあわせて伝えておくと手間が省けます。
在職証明書はいつ必要?
在籍証明書を求められるのは、以下のような場合です。
転職先の会社から求められる
公営住宅への入居時
この他にも、外国人労働者のビザ申請、賃貸契約、住宅ローンの申請などにも在職証明書を提出する場合があります。
在職証明書の期限
在職証明書には発行後、特に有効期間というものはありません。在職の有無を確認するためには、「雇用期間」という項目があるのでそこで判断できます。
また、提出を求めている相手先が在職証明書の有効期限を定めている場合もあります。例えば、外国人の短期滞在ビザ申請では3か月以内と有効期限が設定されているので注意が必要です。
在職証明書の書き方(書式・例文)
在職証明書に、法律で決まった書式はありません。ただ、実際にはよく入る項目がある程度決まっています。提出先から様式が指定されることもありますし、「勤務時間も入れてください」のように、自分から書いてほしい項目を伝える形でも問題ありません。
性別
生年月日
住所
採用年月日
雇用期間
雇用形態
仕事内容・役職など
勤務形態
勤務日数・就労時間
勤務地
給与総支給額・月ごとの給与
発行日
会社名
会社所在地
代表者名
会社印
電話番号
フォーマットの例
在職証明書のフォーマット例です。「在職証明書」というタイトルに各項目ごとに、在職していた時の期間や勤務形態、役職、職種などを記載します。最後に日付と、会社名、代表者名、会社印を押印します。

在職証明書に関するQ&A
最後に、在職証明書でよく聞かれる点をQ&Aでまとめました。細かいところで迷ったら、ここから確認してみてください。
ただし、在職証明書は発行義務がなく、退職証明書は発行義務が2年間と決まっているので、その期間をすぎた後も発行してくれるかどうかは会社次第になります。
断られた場合は、何のために必要なのかを具体的に話してみてください。目的を伝えると対応が変わることもあります。それでも難しければ、提出先に「代わりになる書類で対応できないか」を聞いてみる方法もあります。
保育園の申請などでは、在職証明書の代わりに就労証明書や就労状況申告書など勤務の実態がわかる資料を作成して提出します。
個人事業主やフリーランスに必要な就労の書類は自治体で異なるので詳細は、提出先に問い合わせてください。
派遣会社に登録しているだけで実際には、派遣先で就労していない場合には在職証明を発行してもらえない場合があるので、使用目的を伝えた上で派遣会社へ相談するといいでしょう。
その場合は、「退職証明書」で代用できないか提出先に確認するのがひとつの手です。労働基準法で発行が義務付けられているため、会社側も断りにくい書類です。内容は在職証明書とほぼ重なります。
ただし、退職を証明する書類なので、現在も在職していることを示す必要がある場面では使えません。状況によって使い分けてください。
本ページは、Bizroute編集部で作成・更新しています。在職証明書のテンプレートを、提出先や使い方の違いで選びやすいように並べ直しました。





