会社から支給される業務用パソコン(社用PC)は、仕事に欠かせない設備です。
そのため、うっかり落として壊してしまったり、水をこぼして故障させてしまった場合、会社に損害や業務遅延を与える可能性があり、多くの職場で始末書の提出を求められます。
そこで、このページでは、以下のようなパソコン紛失や破損時の始末書について実務経験から、わかりやすく解説します。
- 会社のパソコンを壊してしまったときの始末書の書き方・例文
- 落下・水濡れ・紛失など状況別の記載ポイント
- 設備故障報告書との違いや修理代・弁償の考え方

会社のパソコンを壊したときの始末書の基本構成
始末書には、事実関係の明示・謝罪・再発防止策の3点を必ず盛り込みます。
- 破損した日時と場所
- 事故の経緯(落下させた・液体をこぼした など)
- 使用中の状況や背景(作業内容・移動中 など)
- 不注意による操作ミス
- 取り扱いルール・社内規程の不遵守
- 設備や周辺環境の問題(配線・レイアウト など)
原因を正直に説明することで、具体的な再発防止策につながります。
- 業務の停滞や遅延の有無・程度
- データ復旧や修理費用の発生
- 周囲の社員・他部署への負担
会社に与えた影響を誠実に認識していることを、簡潔に示すことが大切です。
- 会社・上司・関係者への謝罪の言葉
- 自分の責任を自覚していること
- 同じミスを繰り返さないという意思
- データバックアップの徹底
- 持ち運び方法や保管環境の改善
- 社内マニュアル・研修内容の再確認
「今後は気をつけます」だけではなく、具体的な行動レベルで書けているかがポイントです。
状況別の書き方と例文(落下・水濡れ・紛失など)
ここからは、よくあるトラブル別に、会社のパソコンを壊してしまったときの始末書の書き方と例文を紹介します。
実際に提出する時は、会社のルールや就業規則に合わせて文面を調整してください。
パソコンを落として壊した場合の例文
持ち運び中にノートPCを落として破損させてしまったケースの例文です。
私は、令和〇年〇月〇日〇時頃、社内会議室への移動中に、会社支給のノートパソコンを誤って落下させ、液晶画面と筐体の一部を破損させてしまいました。
当日は複数の資料を同時に持ち運んでおり、パソコンを片手で持った状態で移動した結果、手を滑らせて床に落としてしまいました。
本来であれば、専用のバッグに入れて両手で持ち運ぶべきところを、私の安易な判断と不注意により破損事故を招いてしまいました。その結果、業務で使用していたデータの一部へのアクセスができなくなり、関係部署の皆様に多大なご迷惑をおかけいたしました。
今後は必ずパソコンをケースに収納し、持ち運び方法を徹底するとともに、重要データについては日常的なバックアップを行うことで、同様の事故を再発させないよう細心の注意を払います。
このたびは、会社および関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。
飲み物をこぼして故障させた場合の例文
机の上の飲み物が原因でPCを故障させてしまったケースの例文です。
私は、令和〇年〇月〇日〇時頃、デスク上で作業中に飲み物を誤って倒し、会社支給のノートパソコンに液体がかかり、キーボード部と内部基板を故障させてしまいました。
通常であれば、機器の周囲に飲み物を置かずに作業すべきところを、私の不注意によりパソコンの内部に水分を侵入させてしまい、動作不能の状態にしてしまいました。結果として、業務の再開まで時間を要する事態となり、関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけいたしました。
今後は、機器周辺で飲食物を取り扱わないことを徹底し、作業環境の整理を怠らないよう注意いたします。また、日常的にデータのバックアップを行い、業務への影響を最小限に抑える対策を実施します。
この度は、私の不注意により多大なご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。
社用パソコン・社用携帯を紛失した場合の例文
社外での業務中に社用パソコンを紛失してしまった場合の例文です。
私は、令和〇年〇月〇日、外出先での業務終了後に、会社支給のノートパソコンを誤って紛失してしまいました。訪問先から移動する際に、パソコンを入れたバッグを手に持たず、置き忘れたまま退店し、その後紛失に気づきました。
本来であれば、機器の携行・管理を徹底するべきところを、私の確認不足と注意不足により、社用機器を紛失する事態となってしまいました。結果として、業務データの確認ができず、セキュリティ上のリスクが発生するなど、会社および関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしました。
今後は、社用機器の管理方法を見直し、屋外での移動時は常に機器を携帯していることを再確認するほか、紛失防止タグ・鍵付きケースの利用など、再発防止策を徹底します。社内規程や情報管理ルールも再度確認し、同様のトラブルを防止いたします。
この度は、私の不注意により大変なご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。
会社に大きな損害を与えてしまった場合の書き方
修理代が高額だったり、取引先に影響が出た場合など、会社への損害が大きいケースの場合の書き方のポイントです。
- 発生した損害額や影響範囲を具体的に示す
- 言い訳ではなく、原因・再発防止を客観的に記載する
- 感情的な表現よりも、事実と改善策を中心にまとめる
始末書と設備故障報告書・破損届の違い
「会社のパソコンが壊れた」と一言でいっても、誰の責任で起きたのか/何を目的に記録するのかによって、提出する書類が変わります。
始末書:原因と責任・再発防止を示す文書
始末書は、自分のミスや過失が原因でトラブルが発生したときに、その経緯・原因・会社への影響・謝罪・再発防止策をまとめて提出する文書です。
「なぜ壊れたのか」「自分の責任をどう受け止めているか」を明確にする点がポイントになります。
設備故障報告書・破損届:事実を報告するための書類
一方で設備故障報告書・破損届は、機器の状態や故障内容を事実ベースで報告するための書類です。
原因が経年劣化や設備不良である場合は、始末書ではなく設備故障報告書のみで対応する会社もあります。
両方が必要になるケースもある
実際に現場では、「自分の不注意」+「設備の老朽化」など、複数の要因が重なっていることはよくあります。
その場合は、社内のルールに従って「始末書」と「設備故障報告書」の両方を提出するケースもあります。迷う場合は、上司や総務に確認しましょう。
修理代・弁償はどうなる?始末書に書くべきか
会社のパソコンを壊してしまったとき、「修理代を全額払わないといけないのか」と不安を感じる場合の指針です。
- 修理代の負担は、会社の就業規則・社内規程によって異なる
- 故意か重過失か、業務中か私用利用中かで判断が変わる
- 自己判断で「全額弁償します」と書かないほうがよい
始末書はあくまで、事実関係と反省・再発防止策を示す文書です。修理代や弁償の具体的な金額・支払い方法については、就業規則や上司・人事部門との話し合いで決まることが一般的です。
不安な場合は、始末書を書く前に、「修理代の扱いはどうなりますか」と率直に確認しておくと安心です。
パソコン破損の始末書テンプレートダウンロード(Word形式)
| ファイル名 | explanation08.docx |
|---|---|
| ファイルタイプ | ワード |
| 作成バージョン | word2013 |
| ファイルサイズ | 16.62 KB |
・無料でご利用できますが著作権は放棄しておりません。
・当サイトのコンテンツを無断で複製・転載・転用することを禁止します。
・当サイトのデータの利用は、お客様ご自身の責任において行われるものとします。
・当サイトから入手されたデータにより発生したいかなる損害についても、一切責任を負いません。
・テンプレートのご利用によるトラブルの対応やサポートはしておりません。
関連リンク
よくある質問(FAQ)
単なる経年劣化や機器不良の場合は、始末書ではなく「設備故障報告書」で対応する会社もあります。迷うときは、まず上司や総務に確認しましょう。
本文中で「移動中に落としてしまった」「デスク上の飲み物をこぼしてしまった」など、実際の行動と背景を記載し、そのうえで原因分析と再発防止策を書き分けると伝わりやすくなります。
ただし、自分の取り扱いに過失がある場合は始末書の提出が必要になることもあるため、社内ルールに従って判断してください。
修理代の負担については、就業規則や社内規程にもとづき、上司や人事部門との話し合いのうえで決定されます。自己判断で「全額弁償します」と記載しないよう注意しましょう。