直訳:継ぎ目のない
シームレスとは
・複数のソフトのつながりがユーザーにはわからないシステム(IT)
シームレスとは縫い目がない、継ぎ目がないという意味の言葉です。元になったのは英語のSeamlessで、継ぎ目を意味するSeamと否定語のlessを組み合わせています。
意味としては、要素と要素がつなぎ合ってできているのに、見た目にはわからないことに対してシームレスといいます。

例えば、wifiでスマホをつないでいるときにWifiが切れてしまってもスマホのLTEや4Gなどに自動的に切り替わります。いちいちwifiが切れたからといって、自分で別の回線につなぎ直すことはしません。
このように本当は別の仕組みなのにユーザーが意識せずに使用できるときにシームレスという言葉が使われます。
シームレスの使い方
主にIT業界やアパレル業界などで使われますが、最近ではビジネス用語としても定着していますし、ゲーム用語としても有名です。基本的な意味は、つなぎを意識させないことですが、各業界での異なる使われ方について説明します。
IT業界
IT業界でのシームレスは、複数のシステムやソフトなどを使う時に、それぞれの違いを感じることなく使えることを意味します。
例えば、ある会社で今まで使用してた古いシステムから新しいシステムに業務を移管するとき「シームレスに移管する」といった具合に使用します。
システムを移管しても、業務自体は変わらずに稼働しなければならないので、ユーザーは古いシステムでも新しいシステムでも意識をせずに使い続けることが求められます。
また、スマートフォンの本体にアプリをインストールすることで、様々な機能を使えるようになりますが、通常はスマートフォンと各アプリは別のメーカーが作成しています。
本体とアプリを使うときにユーザーは意識せずにさまざまな機能シームレスに使うことができています。
ゲーム用語
最近になって見かけるゲーム用語に、シームレスバトルがあります。これは通常のフィールド画面から、バトル画面になってもシーンが切り替わらないことを意味しているのです。
以前のゲームではフィールド画面からバトル画面に切り替わるのが普通でした。しかし最近では、ユーザーを待たせないためにシームレスバトルを採用するゲームが増えています。
ゲームにおけるシームレス方式と反対の用語は、エンカウント方式です。ドラクエ1~9のようにマップ上を歩いていて敵に遭遇すると先頭画面に切り替わるのがエンカウント方式です。
ゲームにおけるシームレスの使い方の例
「新しいゼルダの伝説はシームレスなオープンワールドが目玉だ」
「回想からシームレスに戦闘がおこなわれるなんてビックリだ」
アパレル業界
シームレスはアパレル業界で良く使われている言葉でした。元の意味が縫い目がないというものなので、当然のことでしょう。
アパレル業界では縫い目がなくて、ピッタリと肌にフィットするような洋服や下着を指します。肌に対する影響が少なくなるのがメリットで、代表的なものだとシームレスストッキングがあります。
交通業界
交通業界でもシームレスは使われています。
公共交通機関で遠方に旅行する場合、異なる事業者の電車に乗り換えたり、電車からバスに乗り換えることもあります。
すると支払いに使うカードを使い分けないといけなくなるなど、手間がかかる部分が当然出てきます。この手間を簡略化することが、交通業界におけるシームレスです。
最近だと交通系のICカードがシームレス化しています。地方の路線以外は、どの交通系のICカードでも問題なく使え、路線の違いを意識せずに精算が行えます。
人間関係
ある程度の規模の会社になると、古参の社員と若手の社員といったように意思疎通をするのに、大きく時間がかかるケースも珍しくありません。
この時に年代の違う社員同士が、積極的にコミュニケーションを取ることで、意思の疎通までの時間が短縮できます。
こうした時に「関係がシームレスになる」という使い方をします。
まとめ
何かと何かをつなぎ合わせたとき、そこにはどうしても違和感を生じてしまいます。シームレスは、要素をつなぎ合わせたときにそれを意識することなく使えることをいいます。
シームレスは、IT業界やゲーム業界でよく使われますが一般的にも使われる用語なので、言葉のニュアンスを覚えておけば問題ないでしょう。